「検察は無期懲役を求刑も、情状酌量され懲役20~30年の可能性も」
「検察が起訴するのは、間違いないと思います。犯行に計画性があり、銃殺という悪質な事案ですので、精神鑑定で、責任能力がないとされる心神喪失と診断することはまずないでしょう。能力に問題があれば、早めに鑑定にかけているはずで、今回は、調べが終わってからです。弁護側の出方を考えて念のために鑑定にかけたとみられ、能力が少し弱い心神耗弱と診断されても起訴されるでしょう」
裁判で検察の立証などが進み、被告になった山上容疑者に検察側からどんな求刑が行われるかについては、若狭弁護士はこう話した。
「考えられるのは、最低でも無期懲役でしょうね。ですが、最高裁の基準で、被害者が1人ですと、死刑判決は難しいと思います。裁判で、政治的なテロの色彩が出てきたとしても、それは変わらないでしょう。15年前に長崎市長が銃撃を受けて死亡したときは、政治的テロとして被害者が1人でも1審で死刑判決が出ましたが、2審、最高裁では無期懲役になりました」
ただ、旧統一教会への恨みがクローズアップされてきて、ネット上で刑を軽くするよう求める署名活動も起きるなどしていることから、判決では、求刑より軽くなる可能性があるとした。
「判決は、求刑と同じ無期懲役が一番考えられるパターンではあります。しかし、犯行の動機が情状酌量され、懲役30年の実刑判決が出るかもしれませんね。場合によっては、懲役20年の実刑もありうると思います。ただ、有期判決ですと、検察は控訴してくると思います。その場合、控訴審などで無期懲役の判決に変えられることはありうるでしょう」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)