新型コロナウイルスの感染爆発はプロ野球界にも大きな影響を及ぼしている。巨人は首脳陣、スタッフの計77人がコロナの陽性判定を受けた。チーム編成もままならない状況で、2022年7月28日に行われた12球団の臨時実行委員会で、後半戦がスタートする29日と30日のDeNA-巨人戦(横浜)の延期を決定した。
「NPBは試合を延期にする際の明確なルールを作るべき」
巨人は28日、球団公式サイトで、今回の試合中止の経緯について以下のように説明している。
「当球団では7月19日~23日までの5日間に、支配下選手69人中38人が新型コロナウイルスの陽性判定を受け、故障による長期離脱者を除くと試合に出場できる野手は、捕手2人、内野手2人、外野手5人の9人という状況になっていました。このため本日28日、支配下登録の70人枠の最後の1枠を、育成契約の内野手1人を支配下登録することで埋め、出場可能な野手を10人に増やしましたが、それでも内野手は1人不足することから、陽性判定を受けた選手のうち、昨日27日と本日28日に隔離期間を終えた計17名(うち内野手は8人)について、この両日、全員のコンディショニングを見極めながら、試合出場ができる選手の有無を確認したうえで29日から再開されるリーグ戦に臨むことができないか検討してきました。
しかし、本日午後の時点でも、隔離期間を終えた内野手8人とも全力疾走や全力投球ができるコンディションにはなく、この状態で29日からの試合に出場させた場合、大きな故障につながりかねないことから、少なくとも29日と30日はチームとして試合に臨むことは困難と判断し、本日、臨時実行委員会の開催を申し入れたものです」
ツイッター上では今回の開催延期に「巨人のコロナでの試合中止は致し方ないやろ どう考えてもこのメンバーで試合はできひんやろ」などと理解を示す声がある一方、「ファームの試合は出来て、なぜ1軍の試合が中止なんだ?」などと疑問の声も少なくない。
スポーツ紙記者は「ファームの試合は育成枠の選手が使えるので1軍と事情が異なります。不公平に感じるのは、主力選手たちが集団感染しても試合開催を余儀なくされているチームがあるからです。NPBは試合を延期にする際の明確なルールを作るべきです。今回の巨人戦の開催延期で、対戦相手のDeNAは89試合しか消化していないため9月の日程が一層タイトになる。貧乏くじを引いた形になってしまっているので、NPBはこの点も配慮が必要だと思います」と指摘する。
すべての野球ファンが納得するのは難しいかもしれないが、NPBはコロナ感染に対応したルール整備に着手するべきだろう。
(中町顕吾)