「バスルームでアヒルちゃんがお出迎えしております」
利用したホテルのアメニティとして、風呂に浮かべて遊べるおもちゃの「アヒル」が用意されていたと喜ぶツイートが話題となっている。連れて帰ることも可能だというこのサービス、なぜ始めたのだろうか。実施の経緯をホテル運営に聞いた。
「お持ち帰りしていいの?最高〜」
話題となっているのは、ツイッターユーザー・高瀬(@wegdrw)さんによる2022年7月25日の投稿だ。「泊まったホテルで最高のサービスを受けてしまった」と伝え、東京都にあるビジネスホテル「調布アーバンホテル」での体験を写真で披露した。
写真の1枚目をみるとホテルからの案内書きが映されており、
「当ホテルのバスルームでアヒルちゃんがお出迎えしております。大事に育てて頂ける方はぜひ連れて帰って下さい」
と記載されている。そして2枚目では、浴槽のふちに黄色の小さいアヒル人形が置かれている様子が、集中線の画像加工を添えて撮影されている。
投稿は3万7000件以上のリツイートや24万6000件超の「いいね」を集め、「え、可愛い アヒルのおもてなし!」「素敵すぎる」「お持ち帰りしていいの?最高~」といった反応があがっているほか、同様の体験をしたという声も多く寄せられている。
実際に人形を持ち帰ったという投稿者の高瀬さんは26日、J-CASTニュースの取材に対し、「アヒルちゃん大好きなので連れて帰るのは即決でした!」と述べた。また反響には「大変癒やされました!アヒルちゃんを好きな方が沢山いらして嬉しかったです」と喜びを表す。
サービス実施の経緯について、当該ホテルを運営するタイレル(東京都府中市)に取材したところ、ホテル事業部の担当者が下記のように明かした。
「ビジネスホテルのユニットバスは、何か寂しくつまらないので、何か狭いユニットバスでもお客様に寛いでいただける方法はないかと話し合い、アヒルを置いてみてはどうかとなりました」
9年で約100万羽「大切に育てられていると思います」
担当者によるとサービスは9年前に、同社のホテル事業部「アーバンホテルグループ東京」に属する「八王子アーバンホテル」で実験的に開始されたという。すると男性客を中心に好評を博した。
現在では東京都と千葉県で展開するビジネスホテル全17棟と、山梨県の「河口湖アーバンリゾートヴィラ」、計18施設において全客室のユニットバスで「アヒルちゃんがお出迎えをしております」。
宿泊客の約3割が「アヒルちゃん」を連れて帰るという。全施設合わせて1日300羽ほど、この9年間で約100万羽が旅立った。担当者は「お客様のご自宅で、大切に育てられていると思います」と述べる。
サービスの今後については「この先も、更にお客様に喜んでいただける、楽しんでいただけるように発展させていく予定です」と意気込みをみせる。
また先のツイートの反響に対しては「『ほっこり』していただければと思います」と伝えた。次のように呼びかけている。
「まだまだ感染が拡大し気持ちや行動にも、ゆとりが持てないと思いますが、私どものアーバンホテルグループ東京のホテルだけでなく、お近くのホテルで息抜きでもしていただければと思います。宿泊だけでなく、デイユースもございます。
ご家族で、またご夫婦で、お友達と、様々な利用でホテルをご利用していただきたいです」