中華料理チェーン「大阪王将」のフランチャイズ店舗で鍋などにナメクジが発生したとする告発があった問題で、仙台市保健所が立ち入り検査する直前に店側が厨房を清掃していたのではないかと、写真投稿などで指摘が相次いでいる。
ゴキブリが住み付いたとされた洗濯機が、ツイッターでの告発後に店の裏に出されたとする写真などが拡散している。市保健所では、店が事前に清掃した可能性はあるものの、把握はしていないと取材に答えた。
黒く汚れていたプラスチック製すのこは、洗ってピカピカに?
店の周りに設置されたフェンスの下から、ピカピカになった青いプラスチック製すのこが見えている。
この写真は、近くの住民が告発から2日後の2022年7月26日にツイッターで投稿した。
仙台市内の仙台中田店における問題を指摘した元店員の男性は、このすのこが店の敷地内で以前に飼われていたネコの段ボール小屋の前にあったものだと投稿にリプライをした。すのこが黒く汚れている写真を男性は投稿していたが、それが告発後にピカピカになるまで洗われたのではないかという。
同店では、告発があった24日のうちに、店舗整備のため臨時休業に入っていた。仙台市保健所が一報を受けて検査に入ったのが翌25日で、保健所の生活衛生課は同日、ナメクジやゴキブリ、ウジムシは1匹も見つからなかったとJ-CASTニュースの取材に答えた。
これに対し、ツイッター上では、スタッフらしき人が店の裏で清掃していたとする写真がいくつか投稿されており、検査までの間に、店側が厨房を清掃するなどしていたのではないかとの指摘が相次いでいる。
元店員の男性が厨房にあったとした洗濯機は、告発直後には店の裏になかったが、その後にビニールをかけて置かれていたと比較する写真がツイッターで投稿された。また、告発直後に店のフェンス近くに生ゴミを入れたビニール袋が置かれていたが、その後にフェンスのドアで見えなくなったとする比較写真もあった。
一方、以前に飼っていたとされたネコについては、近所に段ボール小屋に入れて置かれているネコがそうではないかとの写真投稿もあった。しかし、このネコについては、元店員の男性は26日、店で飼っていたのとは違う別のネコだと取材に答えた。店の敷地内で2匹を飼っていたが、6月に新しい飼い主に引き渡されたという。
「あす午前中に調査結果を発表する。それまで答えを控えたい」
店側が立ち入り検査直前に厨房を清掃するなどしたのかについて、仙台市保健所の生活衛生課は7月26日、次のように取材に答えた。
「検査時より前の状態を見ていませんので、清掃されたかどうかは分かりません。今後、清掃や消毒をすると言っていましたので、少なくとも大掃除はしていなかったのではないかと思います。そんな時間もなかったはずです。店員だった方の投稿があった時点で、店が先に対応した可能性はありますが、ナメクジなどが見つかったかどうかは分かりません」
ただ、保健所では、検査前に「そのままの現状を見せてほしい」との内容を店側に指示したと説明した。もし指示後に店側が厨房を掃除するなどした場合は、問題になるともした。
ゴキブリが住み付いたとされた洗濯機については、検査に入ったときは、厨房にはなかったという。なぜ外に出されたのかについては、分からないとしている。厨房に洗濯機を置くことについては、「衛生面で支障があるか、ケースバイケースで判断します。もし投稿で指摘されたように使われていなかったのだとすると、外に出すべきでしょう」と話した。
大阪王将を運営するイートアンドホールディングスの広報担当者は26日、「あす27日午前中に、大阪王将のホームページで調査結果と今後の対応についてリリースで発表しますので、それまではお答えを差し控えさせていただきます」と取材に答えた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)