「ほんとに冷えた軍手が出てくるなんて思わないじゃんよ、、、」
清涼飲料水の自動販売機で思わぬ商品が売られていたと驚くツイートが注目を集めている。設置企業に背景を聞いた。
「冷えた軍手気持ち良さそう」
話題となっているのは、ツイッターユーザー・布施猫(@c_a_takurofuse)さんによる2022年7月23日の投稿だ。冒頭で紹介した投稿文と併せて4枚の写真を添付し、自動販売機の外観や商品を購入するまでの様子を伝えた。
自動販売機は山形県天童市にあるヤマト運輸の直営店「天童センター」に設置されていたという。コーヒーや麦茶、エナジードリンクといった冷たい清涼飲料水が3段にわたり、14商品ずつ並んでいる。
しかし、上段の右端2か所に陳列されているのは、2枚の軍手だ。手のひらに滑り止めのゴムが施されたもので価格は180円。他の商品と同じく温度は「つめた〜い」と表記されている。
購入後の写真をみると、ビニールで包装された1組の軍手が短いパイプに詰められた状態で出てきている。
投稿は4400件以上のリツイートや2万6000件超の「いいね」を集め、「軍手が売ってるのか...」「びっくり!!」と驚く反応のほか、「冷えた軍手気持ち良さそう」「いいなコレ」「画期的だな」などと感心する声が寄せられている。
着用した感想について投稿者は25日、J-CASTニュースの取材に「冷たかったですがすぐにぬるくなりました」と答えた。容器は塩ビ管だったとする。
店には客として荷物を発送するために訪れ、「たまたま自販機に冷たいと書いてある軍手をみつけ、まさかなと思いつつ興味に負けて購入しました」。
商品の内容に関して投稿では「軍手で隠されてるけど実は冷たいドリンクじゃないのか」と頭をよぎったといい、「それでも軍手なら面白いな」と好奇心に動かされたと説明している。
反響を受けて、自動販売機を設置したアシード(広島県福山市)の山形営業所・所長は25日、「思わぬところで反響があったのでビックリしてるところです」とJ-CASTニュースの取材に驚きを示した。投稿の存在は知らなかったという。
冷えた軍手は「必然的に」誕生した
冷えた軍手の発祥は、本社のある広島県だという。そもそも同社が軍手を取り扱うようになったのは十数年前。当初は専用の自動販売機を展開していた。
ただし設置場所の確保が難しいといった問題を抱えていたため、ほどなくして運送会社らに向けて、先の投稿にあったような形で、飲料と同じ筐体で販売する方式を提案するようになった。
つまり冷感については狙ったものではないとし、
「構造上、飲料を販売する場所を使っているので、必然的に冷えてしまうんですね」
と、所長は笑いを交えて明かした。一方で「この暑さなので少しでも涼を求められているお客様は多いのかなという気はしています」と所感を述べる。
現状は軍手の劣化を懸念して「ホットでは販売していません」としつつ、「今回このようなお話があったので、考えてもいいかなという気はしています。メーカーさんに確認してですね」と意気込む。
なお山形営業所の管轄下では昨年の秋ごろから、ヤマト運輸を対象に「従業員さまが喜んでいただければという思い」で軍手が導入された。
天童センターは多い月で10〜15個ほど売れている。各店舗の要望に応じて河北町、東根市、寒河江市でも実施されており、農家が購入することもあるという。所長は同社の取り組みを次のように伝えた。
「弊社は飲料メーカーではないので、自販機で売れるものは何でも挑戦していこうというところがあります」「販売してみたいというアイディアがあれば。やってみて効果があれば、お客様が求めているのであれば...ということで挑戦してます」