「おにぎりの可能性が広がる」
セブンイレブンは6月28日から、一部地域で「明太子おむすび」(324円)、「ベーコンエッグおむすび」(270円)を販売している。商品名は普通だが、その見た目がSNS上で注目を集めた。「明太子おむすび」は、厚みのある明太子が3房、ご飯に覆いかぶさっている。「ベーコンエッグおむすび」は、目玉焼きとベーコンがおにぎりの上に載っている。いずれも具材を中に詰めるのではなく、外側に据えたことが特徴だ。
セブン&アイ・ホールディングスの広報担当者は7月1日の取材に、コロナ禍で消費者の自宅での食事機会が増加したこと、具材感のあるおにぎりの人気が高まっていることを受け、開発したと説明。主なターゲットは若い男性で、「お客様からご好評いただいております」とした。販売状況を踏まえて、第2弾の展開を検討する。
個性的な「高級コンビニおにぎり」のヒットを、識者はどう見ているのか。フードライターの笹木理恵さんは7月21日、J-CASTニュースの取材に「これまでの高級おにぎりは180円前後で、200円の壁を超えるのも難しかった」とし、「300円を超えるおにぎりが売れているのは、おにぎりの歴史の中でも、ものすごい革命だと思います」と驚く。
笹木さんは「外食がコロナ以前のようには復活していない中で、自宅でごちそう感のあるものを食べたいというニーズから、高価格帯のおにぎりにも手を出しやすくなったのではないでしょうか」と消費者心理を分析する。いずれの商品もSNS上で注目を浴びたことが、ヒットの要因として大きかったとした。
また、具を中に入れないおにぎりが売れることで、従来おにぎりの具に使われなかった素材が使われるケースが増え、「味づくりにおいて、おにぎりの可能性が広がるのでは」とも指摘する。国民食の「トランスフォーム」は、これからも続くだろうか――。