自民党と旧統一教会「持ちつ持たれつだ」の部分はバッサリ
また、戦後韓国で生まれた教会が日本を資金源としてきた経緯に触れた箇所では、次の部分が削除されていた。
「70年代末からは、旧統一教会系の原理研究会が各大学キャンパスで地方から上京したての孤独な新入生を勧誘した」
さらに、「なぜ『今』事件が起きたのでしょうか」と記者が質問したことに対し、宮台氏が次のように丁寧に説明していたが、その部分がすべて削除されたという。
「90年代にオウム真理教が社会問題化して以降、政治家は宗教団体と距離を置くようになった。だが被害対策の弁護士らによると、民主党政権が生まれたゼロ年代末から10年代初めにかけて両者が再び目立つ形で接近し始めた。自民党の下野から政権奪還に至る過程で、確実な集票を期待できる宗教団体やネット右翼との関係が深まったのだ。教祖が世を去った宗教団体側も、政治家を新たなアイコンとして組織の求心力を維持したがった。持ちつ持たれつだ」
朝日がこうした部分を削除した経緯について、宮台氏は、次のように明かした。
「朝日は、社会部の取材で確かめてからでないと掲載できないと言っていました。僕は、社会部の取材が追い付かないのは社会部の責任ではないかと申し立てました。朝日は、今回は社会部が勉強課題を負ったということで勘弁してほしいと答えました。これ以上ゴリ押ししても、掲載延期ないし中止になると判断して、僕は受忍しました」
宮台氏の記事では、「現状はどうですか」との記者の質問に対し、宮台氏が「呼んでも応えない統治権力」を引き合いに出していたが、宮台氏は、削除部分がないとその意味が分からないと朝日に苦言を呈した。