フードデリバリー大手の「Uber Eats Japan」は2022年7月中旬、ビジネスモデルを変更すると利用者に通知した。
これまで自社事業をマッチングサービスと位置づけ、配達サービスの提供主を「加盟店」としていたが、8月からは「Uber」が担うとしている。
「Uber がユーザーの皆様に対し配達サービスを提供」
Uber社は通知で、配送サービスの提供プロセスを簡素化するため、8月1日からビジネスモデルを改めると案内した。
具体的には、自社の事業を「加盟店がユーザーの皆様に対し配達サービスを提供」と定めていたものの、「Uber がユーザーの皆様に対し配達サービスを提供」に変更する。
消費者庁の第39回「インターネット消費者取引連絡会」(20年12月開催)でUber社が提出した資料によれば、Uber Eatsは「ご注文者様、レストランパートナー様、配達パートナー様の三者をUberの革新的なテクノロジーで繋ぐことにより、最短時間で人気店の美味しい料理をお届けします」とマッチングサービスだと定義していた。
8月以降は、Uber社が配送業務を独立契約者である配達パートナーに再委託する形になるという。利用者に影響はなく、アプリの仕様や料金体系は変わらないとする。
広報の見解は
Uber広報は21日、J-CASTニュースの取材に「これまでのビジネスモデルでは、加盟店様が料理または商品の販売に加え、配達サービスもご注文者様に提供する位置付けとなっておりました。このため、契約上加盟店様が注文者様に対して配達サービスを提供する義務を負っており、また複雑で煩雑な会計処理が必要となっておりました。変更後のビジネスモデルでは、配達サービスの提供プロセスをよりシンプルなものにすべく、配達サービスは Uber Eats が提供し、加盟店様は料理または商品の販売のみ行われます」と説明する。
従来通りUber社は配達員と雇用契約を結ばず、「配達パートナーは引き続き、好きな時間に好きな場所で配達を開始・終了することができ、自由でフレキシブルな働き方をこれまで通り享受いただけます」としている。
配達員でつくる労組「ウーバーイーツユニオン」は22日、ビジネスモデル変更の経緯や今後の影響など説明を求める要求書をUber社に送付したと発表した。同組合は主に(1)事故やケガの補償(2)運営の透明性(3)適切な報酬――を求めて活動している。