ボクシング現役世界王者「あれを見て格闘技を志す奴はいない」 話題集めたBreakingDownの「功罪」指摘

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

    プロボクシングのWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ、28)が2022年7月19日にユーチューブを更新し、格闘家が出場するイベント「BreakingDown」に言及した。

  • 京口選手(写真:AFP/アフロ)
    京口選手(写真:AFP/アフロ)
  • 京口選手(写真:AFP/アフロ)

「ボクシングが強いから強いという世界じゃない」

    同イベントは格闘家・朝倉未来(30)がスペシャルアドバイザーとして監修。17日に第5回大会が開催され、格闘家やユーチューバーなど様々なジャンルの選手が出場しインターネットなどで大きな話題を呼んだ。

    数試合の映像を見たという京口は、大会に出場した元プロボクサーで東洋太平洋バンタム級王者・山本隆寛選手(31)と元東洋太平洋、日本スーパーウエルター級王者・細川貴之選手(37)に言及。試合は山本選手が判定勝利を飾り、細川選手は判定で敗れた。

    京口は試合を語るにあたり「ひとつ言えるのがブレイキングダウンは格闘技ではないですよね。喧嘩の延長でみたいな。(試合が)1分じゃないですか。ボクシングが強いから強いという世界じゃない」と前置きし、率直な感想を口にした。

    「(山本)隆寛君は本戦で空手相手に勝った。この試合、1分の戦いを見たけど喧嘩っぽくはなかったですね。空手家VSボクサーみたいな」と振り返り、細川の試合については「隆寛君の戦いよりは喧嘩に近いというか。思い切りインローを蹴られてたね。蹴りは警戒したけど。思ったのは喧嘩よりもボクシングをしようとしていたなと思う」と語った。

    また、現役の世界王者としてボクシング界をけん引する立場にある京口は、山本選手と細川選手の参戦を否定しないとしつつも複雑な心境を吐露した。

「あれはエンターテイメントのイベント」

    「本人がやりたくて知名度を上げるための手段を選んだので否定はしないけど、ボクサーでタイトルを取った人があの場に出てボクサーではない畑の人とああいう風にやると品格的にはあまり良くないかなと思いますね。難しいなと思う。その人の人生なので否定はしませんが、ああいう場に出たらボクサー代表として見られるのでそのリスク、マイナスはある」

    同イベントは格闘技ではないとする一方でエンターテイメントとして大きな魅力があると指摘。「これがきっかけで名が売れた一般の人は多い」とし、「朝倉未来さん発足でそこから知名度が上がって今活躍している人は多い。そういうプロデュース力は凄いと思う」と素直に称賛した。

    さらにスタッフから「結果的に格闘技に興味を持つ人は増えるのか?」と問われると、「ブレイキングダウンきっかけでは(興味を)持たないでしょ」と否定的な見解を示し、「あれを見て格闘技を志す奴はいないでしょ。いたらびっくり。格闘技じゃないっすよ。あれはエンターテイメントのイベントですよ」との持論を展開した。

    そして格闘技の世界で生きる選手として「注目浴びてなんぼの世界。そこだけ見たら大成功だと思う」と評価しつつも「すごいことやっているけど格闘技という括りでは見てほしくない。格闘家としては。それはみんな思ってるんじゃないかな」と率直な思いを述べた。

    京口は17年7月にIBF世界ミニマム級王座を獲得し王座を2度防衛。18年12月にWBA世界ライトフライ級スーパー王者をTKOで破り世界2階級制覇を達成した。今年6月には敵地メキシコで王座統一戦を行い、正規王者を8回TKOで下して王座統一に成功した。

姉妹サイト