国民民主党の玉木雄一郎代表は2022年7月19日の記者会見で、10日投開票の参院選で初めて議席を獲得した参政党について、急速な成長と議席獲得について「敬意を表する」とする一方で、独自の選挙戦を展開したことから「ある種の脅威も感じる」とも述べた。
代表の松田学氏は、玉木氏と同じ財務省出身。20年10月に松田氏のユーチューブチャンネルで対談したこともある。
「積極財政」では「大きな方向性は合致している面も」
松田氏自身は落選したものの、7月15日に代表に就任。そのタイミングで玉木氏は電話を入れたという。玉木氏は対談の様子を次のように話し、積極財政という方向性では「大きな方向性は合致している面もある」とした。ただ、「ちょっと最近の主張は知りませんが」とも断った。
「かつて対談したときも、ある意味の、その積極財政...、ちょっと最近の主張は知りませんが、国債というよりもむしろ、政府紙幣をデジタルで出して、いずれにしてもそれで、消費・投資を活性化していこうということだと思うので、その意味では、大きな方向性は合致している面もあるのかなと思っている」
支持層の競合を警戒?
その上で、党の急速な成長と議席確保には「敬意を表します」。同時に「脅威も感じる」とも話した。
「既存の政党とは違うやり方をやっておられるので、ある種の脅威も感じる。これからどういう主張されるのか、どういう運動を展開していくのかは、注意深く、我々としても注視をしていきたい」
参政党はSNSを積極的に活用した選挙活動や独自の政策で、若者を中心に、既存の野党では受け皿にならなかった層の支持を一定程度得たと考えられている。玉木氏としては、支持層が競合しうることを警戒している可能性もある。例えば朝日新聞が7月12日付朝刊で掲載した10日の投開票日の出口調査の結果によると、岸田内閣を支持しない有権者の8%が参政党に投票。国民民主の7%、れいわ新選組の10%に近い水準だ。年代別に見ると、内閣不支持層のうち、20代以下で参政党に投じたのは11%。日本維新の会とれいわの11%、国民民主の12%と同水準だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)