作業服・作業用品販売大手のワークマン(群馬県伊勢崎市)。従来の「職人向け」のイメージから一転し、近年は女性をターゲットにした業態や「靴専門店」を出店するなど、カジュアル化を推し進めている。
そんなワークマンが、今度はサバイバルゲーム(サバゲー)利用者をターゲットにした商品展開を始めたと、ツイッター上で話題になっている。一体どういうことなのか。ワークマンの広報担当者に話を聞いた。
「サバゲー装備に革命が起きる」
ワークマンは工場や工事現場など、作業現場で働く人に向けたアイテムを強みとする。演歌歌手・吉幾三さんのテレビCMに代表されるように、従来は「職人向け店舗」のイメージを前面に押し出していた。
ただ、18年からはアウトドア・スポーツウェアに力を入れた「ワークマンプラス」、20年からは女性ユーザーを意識した「#ワークマン女子」の出店を進めるなど、近年はカジュアル化を敢行。好調な業績を収めている。22年4月からはカジュアル靴専門店「ワークマンシューズ」の展開を始め、6月に東京に進出したばかりだ。
そうした中、7月中旬、ワークマンに関する「ある投稿」がツイッター上で話題を呼んだ。ワークマンがサバゲー利用者をターゲットにした商品展開をはじめた、というものだ。
投稿では、ワークマンオンラインストアの「サバゲー商品・サバゲーグッズ装備特集」というページが紹介されている。同ページでは、迷彩服やゴーグルを着用した「サバゲー装備」の男性の写真ともに、こんなキャッチコピーが躍っている。
「サバイバルゲームという『非日常』をワークマンは全力で応援します。スタートダッシュはワークマンで!」
近年は作業服とスーツを切り替えられる「ワークスーツ」や、格安の「キャンプ用品」を開発するなど、積極的な新商品展開で消費者を驚かせてきたワークマン。それだけに、今回のツイートには「今度はサバゲーまで進出か」「ワークマンさん本格的にサバゲー用品作るのか」「こりゃサバゲー装備に革命が起きるぞ」などと、期待の声が集まった。
「今まで全く話題になっていなかった」2年越し注目に驚き
ワークマンは「サバゲー市場」に乗り出すのか――。J-CASTニュースが7月15日、ワークマンの広報担当者に取材すると、こんな答えが返ってきた。
「(特集ページで紹介されている商品は)実はサバゲー用ではなく、作業服・作業用品です」
ページで紹介されているのは「レンズゴーグル」「牛革作業手袋」「迷彩ヤッケ」「カーゴパンツ」など、同社が作業用アイテムとして売り出している商品。サバゲーに合いそうなスタイリッシュなアイテムを、サバゲーユーザーに向けて訴求している、というものだ。
担当者によると、同ページは20年2月に開設。ワークマンが基本方針として掲げる「客層拡大」をもとに、「作業服・作業用品の高機能を一般の方にも認知してほしい、様々な趣味にも使用できますよという意味で作成し、ニッチだがコアなファン獲得のために特集ページを設けました」と説明する。
ただ、ページを設けた当初は「正直、反響は大きくなかった」といい、「今まで全く話題になっていなかったため、(今回の注目に)驚いています」と話す。ツイッター上での話題を受け、サバゲー入門者がワークマンの店舗でアイテム一式を購入するケースもあったとし、「今後の来客に期待しております」。
今後のサバゲーユーザー向けの展開については「現時点では施策はない」としつつも、「弊社の作業服・作業用品は高機能×低価格がウリですので、気兼ねなく使用していただけたらと思います」と話す。特に、迷彩柄のアイテムは「作業現場でも汚れが目立たない・格好いいと人気なので今後も展開していきます」とした。
ただ、ページで紹介されている商品はサバゲー向けの強度テストや使用テストは実施しておらず、使用状況によっては安全に使用できない場合もあるとして、「ご購入を検討される際は、ご注意ください」と呼びかけている。