場内アナウンスに甲子園がどよめいた。
巨人・中田翔が「6番・一塁」でスタメン出場した2022年7月13日の阪神戦(甲子園)。2回に適時失策を犯した直後に中田へ交代を命じた原監督の采配が大きな反響を呼んでいる。
「戦略上の交代ではないでしょうか」
0-3の2回1死二、三塁。近本光司の一ゴロに対し、中田が逆シングルで捕球を試みたがはじいて失策に。4点差に広がると、原監督がベンチを出た。先発のメルセデスから戸根千明へ交代すると、同じタイミングで中田もベンチに退き、増田陸が一塁に入った。
「あのプレーは簡単ではないですよ。三塁走者の本塁生還を阻止しなければいけない状況で中田は逆シングルでさばかなければいけない。人工芝と違って土のグラウンドなのでイレギュラーバウンドにも備えなければいけない。
失策であることに異論はありませんが、中田の交代が失策の懲罰的な意味合いだったら厳しいなと感じますね。戦略上の交代ではないでしょうか。メルセデスが2回持たず降板したことは首脳陣も想定外だった。2番手投手を長いイニング投げさせることを考えると、9番に増田陸を入れる選択肢は考えられる」(他球団のスコアラー)
一度火がついた阪神打線の勢いは止められない。0-13と投打に圧倒されて完敗。勝率5割に逆戻りした。
「こんな起用法をされたら...」投手采配にも疑問
スポーツ紙デスクは「あの采配では選手が委縮する」と指摘する。
「中田の一塁の守備能力は球界トップクラスです。増田陸、中島宏之と比べても一目瞭然です。実際に何度も好守でチームを救ってきた。たった一回のミスで即座に交代はどうかなと...。戦略的に考えて交代させたのかもしれませんが、中田は今月に入って打撃の状態が上がり、1発を打てるので相手からすれば脅威です。試合序盤に途中交代したことは、阪神も助かったと思います」
中田の交代だけでなく、継投策についても原采配に疑問を呈す。
「敗色濃厚の試合展開で6人も投手をつぎ込んでいる。勝ちゲームで登板する鍬原拓也は8回に登板して5安打の集中打を浴びて4失点しましたが、集中力を高めろという方が酷ですよ。9回に登板した今村信貴もそうですが、救援陣はこんな起用法をされたら疲弊して夏場まで持ちません」
2回途中で交代に中田は何を思うか――。(中町顕吾)
ファーストが弾き、サードランナー中野がホームイン!#hanshin #虎テレ #阪神タイガース #イチにカケル! pic.twitter.com/yNjXm6eQdd
— 阪神タイガース (@TigersDreamlink) July 13, 2022