再び「検討と先送り」では話にならない
もっとも、人事がどうなっても岸田政権の「財務省主導内閣」ぶりには変化はないだろう。そこで経済問題や安全保障をしっかりできるだろうか。
岸田政権は、参院選までは「検討と先送り」をモットーとし、参院選では「決断と実行」を掲げた。参院選後、再び「検討と先送り」では話にならない。
岸田首相は、11日の記者会見で「安倍元首相の思いを受け継ぎ、拉致問題、憲法改正など難題に取り組む」と語った。
であれば、党役員人事、内閣改造で範を示してもらいたい。積極財政、安全保障とともに、憲法改正をやってほしい。それが安倍元首相が最も望んでいたことだ。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。