人気美容液「メラノCC」の偽物を大手通販サイトで購入して、肌荒れなどの被害に遭ったと、ツイッターで訴えが出て関心を集めている。
美容液を製造・販売するロート製薬によると、フリマサイトなどでも模倣品が出回っているという。健康被害の恐れがあるとして、公式サイト上で注意を呼びかけている。
当初は「正規品です」と主張も
「ニキビ」が「ニキピ」、「ビタミンC」が「ヒタミソC」――美容液の外箱は、一見本物っぽく見えるが、書かれた説明をよく見ると、このように文字が間違っていた。
ツイッター上で2022年7月6日、こんな写真が投稿された。身近な商品だけに、1万2000件以上もリツイートされるほどの注目を浴びている。
この美容液「メラノCCプレミアム」は、しみ・ニキビなどに悩む人に向けたもので、投稿によると、大手通販サイト「Qoo10(キューテン)」で購入した。
レビュー10数件には評価が高いものが多かったために選んだが、いつもの美容液と違うと感じたという。1週間使うと、塗った場所がかなりの肌荒れ状態になり、箱をよく見ると、「ニキビ」が「ニキピ」と書かれているのに気付いた。
偽物ではないかと思い、ヨウ素液を使って、美容液に含まれるはずのビタミンCの有無を調べた。その結果、色が消えず、ビタミンCは確認できなかった。
ロート製薬に問い合わせたところ、偽物だとの説明を受け、美容液を販売したショップに問い合わせた。最初は、「正規品です」と言い張ったが、そのうち返信も来なくなった。その後、Qoo10サイトからショップがなくなっていたという。
Qoo10を運営するイーベイジャパン合同会社は13日、J-CASTニュースの取材に対し、問い合わせは1件もなくツイートのケースは特定できていないとしながらも、メラノCCの偽造品の疑いがある商品が出回っていたことを認めた。
それによると、偽造品が出回っていると情報提供があったため、6月末から商品へのモニターを強化した。
偽造疑いの出品をした1社を退店処理
その結果、メラノCCのレビューを通じて偽造品の疑いがある商品を見つけ、7月8日にその出品を停止するとともに、出店者1社を退店処理した。
そして、13日になって、Qoo10サイトのお知らせで、メラノCC購入者への案内を出し、偽造品・模造商品の可能性がある場合は、8月12日までにカスタマーセンターへ連絡するよう呼びかけた。連絡があれば、イーベイジャパンが精査したうえで、商品代金の全額を返金するなど適切に対応するとしている。
ロート製薬でも、メラノCCやメラノCCプレミアムなどに酷似した「模倣品」が、一部通販サイトやフリマサイトなどで販売されていることを確認したとして、「『メラノCC』の模倣品にご注意ください」と題して、7月4日に公式サイトで目立つようにお知らせを出した。
そこでは、模倣品がロゴや写真を無断で使ってメラノCCのように販売され、誤って購入した客もいると報告した。模倣品は、成分・品質が異なり、使用すると健康被害が生じる恐れがあるとして、購入しないよう注意を促した。そのうえで、公的機関に相談したり法的措置をとったりするなど、模倣品を排除する取り組みを強化したいとしている。
模倣品について、同社の広報担当者は13日、次のように取材に答えた。
「模造品の表記に、文字の間違いがあることを確認しています。健康被害があったと、直接こちらに連絡が来たことは確認されていません。なお、Qoo10でも模倣品が販売されているのを確認しました」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)