プロボクシングのWBC世界フェザー級タイトル戦が2022年7月9日(日本時間10日)、米テキサス州サンアントニオで行われ、王者マーク・マグサヨ(フィリピン、27)が元WBC世界スーパーバンタム級王者で同級1位レイ・バルガス(メキシコ、31)に1-2の判定で敗れ初防衛に失敗した。
9回にダウン奪うもポイント及ばず
全勝同士(マグサヨ24勝16KO、バルガス35勝22KO)の一戦は、バルガスが中盤から的確なパンチでポイントを重ねていった。9回にはマグサヨの右がバルガスのアゴを捕らえダウンを奪うもポイントで逆転ならず。2人のジャッジが3ポイント差でバルガスを支持し、残るひとりは1ポイント差でマグサヨの勝利を支持した。
プロ25戦目にして初黒星を喫したマグサヨ。フィリピンメディア「rappler.com」(WEB版)は「マグサヨがWBCタイトルを譲りフィリピンから世界王者がいなくなった」とのタイトルで記事を公開し、フィリピンボクシング界の現状を悲観的に報じた
記事では今年に入ってからフィリピンの世界王者が次々とタイトル戦で王座から陥落していることを伝えた。
今年2月にIBF世界スーパーフライ級王者ヘルウィン・アンカハス(30)が、フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン、30)に判定で敗れ10度目の防衛に失敗。6月にはWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン、39)が井上尚弥(大橋、29)に2回TKOで敗れ王座陥落した。
カシメロは5月に王座はく奪
7月1日にはIBF世界ミニマム級王者レネ・マーク・クアルト(25)がダニエル・バジャダレス(メキシコ、28)に敗れ無冠に。そして5月にはWBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(32)が、2度にわたって世界戦をキャンセルしたためWBOから王座をはく奪され、リングに上がらずしてベルトを手放した。
マグサヨは今年1月にWBC世界フェザー級王者ゲーリー・ラッセルJr(米国)に挑戦して判定勝利を収め王座を奪取した。6年以上にわたる長期政権を築いてきたラッセルJrを破ったことで地元フィリピンでの注目度が上昇。今回の初防衛戦は海外でも注目を集めていた。
米スポーツ専門チャンネル「ESPN」(WEB版)はタイトル戦前の7日にマグサヨの記事を公開。記事ではフィリピンの世界王者が防衛に失敗し続け、マニー・パッキャオ(43)が引退した中で、バルガスに勝利すればマグサヨはフィリピンボクシング界の次なる「顔」になると期待を寄せていた。
マグサヨの王座陥落によりフィリピンの世界王者がついに皆無となった。13日には世界4階級制覇のドニー・ニエテス(40)がWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成、33)に挑戦。フィリピンボクシング界の期待を一身に背負いリングに上がる。
If you're not tuned into @Showtime what are you doing?!#MagsayoVargas is into the championship rounds ?? pic.twitter.com/2roHKK3VOL
— SHOWTIME Boxing (@ShowtimeBoxing) July 10, 2022