演説取りやめか、継続か... 参院選最終盤、安倍氏襲撃で各党の対応割れる

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   安倍晋三元首相(67)が2022年7月8日、奈良県の大和西大寺駅付近の演説会場で40代の男に銃のようなもので撃たれ、病院搬送後に死亡が確認された。

   参院選投開票を控える各党では、一時は演説など選挙活動を取りやめる動きが相次いだ。一方で、当初から活動継続を宣言していた党や、その後、9日の演説を予定通り行うとする党もあり、各党で判断が分かれている。

  • 安倍晋三元首相
    安倍晋三元首相
  • 安倍晋三元首相

社民、共産は続行を宣言

   安倍氏の襲撃を受け、各党の対応は分かれた。

   自民党は同日に予定していた岸田文雄首相(党総裁)ら党役員・閣僚による応援演説を取りやめた。日本維新の会もツイッターで「全活動を中止する」「既に予定されている個人演説会についても中止いたします」とし、公明党も同日の遊説を取りやめると報じられた。NHK党は予定していた立花孝志党首の横浜での演説を中止した。

   一方、当初から演説継続を決めていた党もあった。社民党の福島瑞穂党首は午後1時26分、ツイッターで「今日、明日の街頭演説は取りやめません。暴力は許されない、いかなるテロも許されないということを訴えていきます」と投稿した。

   共産党の志位和夫委員長はツイッターで「安倍晋三元首相への襲撃は、自由な言論をテロで封殺しようという許し難い蛮行であり、強い憤りをもって抗議する」と投稿。共産党の候補者も、同日に実施した街頭演説の様子をツイッターに投稿した。9日は志位委員長による演説が首都圏各地で行われる。

   れいわ新選組は同日と9日に予定していたイベントを中止すると発表。一方で「自由な言論と民主主義を守っていくために暴力には屈せず、通常の遊説は予告なしで継続」するとしていた。

活動では「『テロ行為は許さない』『言論の自由は守る』などの姿勢を明確に」

   対応を変える動きもあった。立憲民主党は安倍氏の襲撃からおよそ1時間後、同日に予定していた党本部派遣予定の遊説を中止すると発表。その後、選挙関係者などに「このようなテロ行為は民主主義に真っ向から敵対する行為であり、断固抗議します。このような行為で言論が封殺されることはあってはならず、立憲民主党は毅然と戦っていきます」と通達し、「今後の街宣車や拡声器を使用した活動については、基本的に継続して行う」とした。活動の際には「『テロ行為は許さない』『言論の自由は守る』などの姿勢を明確に伝える」など配慮するよう求めている。9日はJR川崎駅前(神奈川県川崎市)で泉健太代表と逢坂誠二代表代行による街頭演説が行われる。

   国民民主党の玉木雄一郎代表は14時過ぎ、ツイッターで同日に予定していた街頭演説会を全国的に中止すると発表。その後、「事件の背景や安全を確認するため街頭での演説活動は一時止めましたが、選挙の土台である言論活動を継続することは必要」だとし、SNSなどでの情報発信を継続するとした。

   自民、公明は9日の活動を予定通り行う方針だ。

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