安倍晋三元首相を背後から撃ったとして、奈良市在住の職業不詳、山上徹也容疑者(41)が殺人未遂の現行犯で逮捕され、どんな人物なのか関心が集まっている。
報道によると、山上容疑者は、過去に任期付きで海上自衛隊に所属していたことがあるという。現時点では真偽は分からないものの、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)に犯行をほのめかしたともとれる投稿があったとして、一部で騒ぎになっている。
まるで安倍氏が振り返ることを狙って撃ったかのように...
奈良市内の路上に台を置いて参院選の応援演説をしている安倍氏の右後ろ、道路を隔てたところに山上容疑者が立っている。
これは、演説の聴衆が撮った動画やメディア撮影の映像に移っていたシーンだ。
山上容疑者は、グレーの半袖シャツ、茶色いズボン姿で、青いバッグを斜めがけし、両手を腰に当てていた。
聴衆が拍手すると一緒に手を叩き、ごく普通の通行人に見える。しかし、キョロキョロと辺りを見回すなど、挙動不審なところはあった。
そして、望遠レンズを付けたカメラのようにも見えるものを手に持つと、安倍氏に少し近づく。すると、ドーンという破裂音とともに、白煙が立ち上った。
次の瞬間、安倍氏が山上容疑者の方を振り返ると、再び破裂音が響き、今度は、安倍氏の左胸に弾が命中した。その様子を見ると、まるで安倍氏が振り返ることを狙って撃ったかのようだ。
報道によると、山上容疑者は、手製の銃を使っていたという。その写真を見ると、銃身の筒が2つあって、なぜか黒い粘着テープがグルグル巻きにされていた。
警察の調べに対し、「安倍元首相の態度に不満を持ち、殺そうと思ってやった」と容疑を認める一方、「政治信条からの恨みではない」と供述しているという。
冷静に犯行に及んだようにも見られる山上容疑者は、一体どんな人物なのだろうか。
書き込まれたのは銃撃事件の4時間前
報道によると、02年から05年までの3年間、任期付きの海上自衛隊員として、広島県・呉地方の部隊に所属していたという。しかし、その後の17年間については、何をしていたのか現時点ではよく分かっていないようだ。
奈良市内のマンション最上階の8階に住んでおり、過去の犯罪歴はないと報じられている。
その素性については、これからの警察の調べを待つしかないが、ネット上では、犯行予告ではないかという投稿が注目を集めている。
5ちゃんねるに7月6日に立てられたスレッド「NHK内部告白者 立花孝志ひとり放送局(株) Part613」で、銃撃の4時間ほど前になる8日午前7時19分に、496番目でこんな書き込みがあった。
「本日金曜日、某所でまあまあ大きな出来事が起きる
そのことが、特定の党にとって大きな追い風となる
追い風は弱まることなく投開票日に突入するるるる
そんなような夢をみた」
銃撃後にこのスレで驚きの声が上がり、「おまえか!」「これは通報した」「これ、犯人の可能性ないか?」などと書き込まれている。ただ、この書き込みが本当に山上容疑者の投稿なのかは、8日夕時点では不明だ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)