奈良市内の路上に台を置いて参院選の応援演説をしている安倍氏の右後ろ、道路を隔てたところに山上容疑者が立っている。
これは、演説の聴衆が撮った動画やメディア撮影の映像に移っていたシーンだ。
山上容疑者は、グレーの半袖シャツ、茶色いズボン姿で、青いバッグを斜めがけし、両手を腰に当てていた。
聴衆が拍手すると一緒に手を叩き、ごく普通の通行人に見える。しかし、キョロキョロと辺りを見回すなど、挙動不審なところはあった。
そして、望遠レンズを付けたカメラのようにも見えるものを手に持つと、安倍氏に少し近づく。すると、ドーンという破裂音とともに、白煙が立ち上った。
次の瞬間、安倍氏が山上容疑者の方を振り返ると、再び破裂音が響き、今度は、安倍氏の左胸に弾が命中した。その様子を見ると、まるで安倍氏が振り返ることを狙って撃ったかのようだ。
報道によると、山上容疑者は、手製の銃を使っていたという。その写真を見ると、銃身の筒が2つあって、なぜか黒い粘着テープがグルグル巻きにされていた。
警察の調べに対し、「安倍元首相の態度に不満を持ち、殺そうと思ってやった」と容疑を認める一方、「政治信条からの恨みではない」と供述しているという。
冷静に犯行に及んだようにも見られる山上容疑者は、一体どんな人物なのだろうか。