歴代首相64人中7人が... 安倍元首相銃撃で顕在化した「暗殺リスク」

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   安倍晋三元首相(67)が2022年7月8日、奈良県の大和西大寺駅付近の演説会場で40代の男に銃のようなもので撃たれ、病院搬送後に死亡が確認された。古くは伊藤博文や原敬ら首相経験者・現役首相が銃撃で命を落としたり、刺殺されたりした。64人いる歴代首相のうち、襲撃を受けて死亡したのは安倍氏で7人目。

   地方自治体レベルでは、07年4月に長崎市の伊藤一長市長(当時)が暴力団に拳銃で撃たれて死亡。政治家が直面するリスクの高さが改めて顕在化した。

  • 安倍晋三元首相(2017年撮影)
    安倍晋三元首相(2017年撮影)
  • 安倍晋三元首相(2017年撮影)

首相経験者の犠牲は「二・二六事件」以来

   安倍氏は奈良県奈良市の大和西大寺駅付近で演説を行っていたところ、40代の男に銃のようなもので撃たれ、血を流して倒れた。その後病院に搬送されたものの、心肺停止の状態が続き、後に死亡が確認された。奈良県警は山上徹也容疑者(41)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。

   いつの時代も、政治家は暗殺リスクにさらされてきた。現役首相で言えば、「平民宰相」として知られる原敬(第19代)は、1921年11月4日に東京駅で、当時大塚駅の職員だった中岡艮一に短刀で刺殺された。犬養毅(第29代)は32年5月15日、いわゆる「五・一五事件」で武装した海軍の青年将校により銃殺されている。

   「ライオン宰相」として知られた浜口雄幸(第27代)は30年11月14日、東京駅で右翼活動家に銃撃されて負傷。療養を続けたが容態は回復せず、31年4月13日に首相を辞任。8月26日に死去した。

   首相経験者では、伊藤博文(初代)が09年10月26日にハルビン駅で韓国の民族主義運家・安重根に狙撃されて暗殺されている。高橋是清(第20代)、斎藤実(第30代)は、1936年2月26日の「二・二六事件」で青年将校に暗殺されている。

   政治家に対する暴力は決して「昔話」ではない。2022年だけでも、立憲民主党の福山哲郎参院議員が5月2日、京都市内で街頭活動中に男に暴行を受けた。7月6日には、同党の辻元清美氏が東京事務所のベランダに「生卵」を投げつけられたとツイッターで訴えている。

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