宿敵ニエテス戦、井岡一翔は「終盤KO勝ち」 識者が明言するワケ

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   プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトル戦が2022年7月13日に東京・大田区総合体育館で行われる。王者・井岡一翔(志成、33)が同級1位ドニー・ニエテス(フィリピン、40)を相手に5度目の防衛戦に臨む。

  • 井岡一翔選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    井岡一翔選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 井岡一翔選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

18年初戦は1-2小差判定で井岡敗戦

   両者は18年12月31日にマカオで行われたWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で対戦しており、この時はニエテスが2-1の小差判定で井岡を破り王座を獲得。ミニマム級、ライトフライ級、フライ級に続いて世界4階級制覇を達成した。

   今回は井岡が王者、ニエテスが挑戦者の立場でリングに上がり、井岡のホームで行われる。初戦は僅差判定でベルトに手が届かなかった井岡が、約3年半ぶりの再戦でどのようなパフォーマンスを見せるのか。J-CASTニュース編集部は、協栄ジムの金平桂一郎会長(56)に試合の行方を占ってもらった。

   初戦で井岡を破ってWBOスーパーフライ級王座を獲得したニエテスは、タイトル戦の3カ月後に王座を返上。空位となった王座を井岡とアストン・パリクテ(フィリピン)が争い、井岡が10回TKO勝利で王座を獲得した。以後、井岡は4度の防衛を重ね今回が5度目の防衛戦となる。

   井岡は18年のニエテス戦後に5試合をこなして全勝。そのうち2試合でTKO勝利を収めている。20年大みそかには世界3階級制覇の田中恒成(畑中、27)を相手に2度目の防衛戦に臨み8回TKOで王座防衛に成功。注目の日本人対決に完勝したことで世界的な評価が上がった。

「井岡がはっきりとした勝ち方をする」

   ボクサーとして円熟期を迎える井岡。一方のニエテスは40歳とベテランの域にある。金平会長は今回の再戦は井岡がはっきりとした勝ち方をすると明言し「終盤KO」と予想した。その根拠は井岡のボクシングスタイルにあるという。

   金平会長は過去の井岡の試合を振り返り「井岡選手はテクニシャンタイプに対して苦戦する印象がある。その一方で好戦的に向かってくる相手を迎え撃つことが非常にうまい」と指摘した。

   14年5月にプロ初黒星を喫したアムナット・ルエンロン(タイ)は、アマチュアの世界選手権で銅メダルを獲得した変則タイプのテクニシャン。プロ2敗目を喫したニエテスもテクニックに定評がある選手だ。井岡はいずれも1-2の僅差判定で敗れている。

   金平会長はニエテスにとって今回の世界戦がおそらくラストチャンスになるとし、「日本開催ということを考えると、ニエテス選手は好戦的に来ると思う。初戦のようなテクニック合戦になるだろうが、より明確に勝とうとするとよりアクティブになる。そうなると井岡選手が戦いやすい展開になるでしょう」と解説した。

大一番で強さを発揮

   さらに「井岡選手が負けた試合は相手を無理に追ってカウンターを取られポイントを失った。今回そこは気を付けるでしょう。ニエテス選手はベルトを取りに行く立場。これを井岡選手はコンビネーションでうまく崩しにかかって終盤に捕まえることが出来ると思う」と続け、井岡のKO勝利を予想した。

   また、金平会長は井岡の大一番での勝負強さを指摘した。

   井岡は12年6月に行ったWBA、WBC世界ミニマム級王座統一戦でWBA王者・八重樫東(大橋)を壮絶な打ち合いの末、3-0の判定で王座統一に成功。世界の注目を集めた20年大みそかの田中戦では計3度のダウンを奪い完勝している。

   金平会長は「井岡選手は数々の大舞台をこなしている。キャリア、能力的にも高く、プレッシャーに強い。ここ一番に強く、注目が集まる試合で強さを発揮する選手。今回も『終わってみたらやっぱり井岡選手は強かったな』という感じになると思います」との見解を示し、「井岡選手にはぜひとも存在感を発揮してもらいたい」と締めくくった。

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