駅員はどうすればよかったのか
鉄道ジャーナリストの枝久保達也さんは7月6日、動画の前段などは分からないため動画に撮影された範囲に限るコメントになるとしたうえで、「そもそも論」として取材にこう述べた。
「落とし物で非常停止ボタンを扱ってよいのは、スーツケースなど重量物が線路を支障した場合などに限られます。サイフを含む通常の落とし物は安全を確保した上で、列車運行の妨げにならない範囲で対応します。20時台の山手線は3~4分間隔なので、すぐは難しかった可能性もあります。何をどのように落としたか、誰のせいかは関係ありませんので、乗客が駅員の制止を聞かずに自分で拾おうと線路に降りようとしたり、非常停止ボタンを押したりした場合は、列車運行を妨げる意図で行った行為として処罰対象になることも考えられます。駅係員が乗客に行うべきは、こうした事情の説明と、運行を妨げるとともに乗客の危険につながる行為の制止でした」