プロボクシングのWBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、33)が次戦に向けてトレーニングを開始したことをプロモート社「プロベラム」が2022年7月5日に公式サイトで伝えた。
バトラー「まだ井上の研究を始めていないが...」
公式サイトのニュース欄で記事を公開。記事では世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)陣営と対戦に向けて現在交渉中であることを伝え、この一戦に備えてバトラーがトレーニングを再開したことを報告した。
記事によると、バトラーは王座統一戦を自身の地元である英国開催にするべきだと主張している。バトラーは「誰もが認めるチャンピオンになるチャンスを望むなら『モンスター』は英国で戦う準備をしなければならない」と訴えている。
そして「私は対戦相手としてまだ井上の研究を始めていないが、戦いが決定すれば私の心の中に多く浮かんでくるだろう。私はそれを望んでいる」とコメント。自身のインスタグラムのストーリーにはトレーニングを再開した動画を投稿し、井上戦をアピールしている。
バトラーは22年4月22日にWBO世界バンタム級暫定王座を獲得。この時点でジョンリル・カシメロ(フィリピン、32)が正規王者に君臨していたが、WBOはカシメロに対して2度にわたって世界戦をキャンセルしたことなどを理由に王座をはく奪。これに伴いバトラーが正規王者に昇格し井上の対戦候補に浮上した。
井上「日本でもアメリカでもイギリスでもどこでもいい」
一方の井上は6月7日にWBC世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン、39)を2回TKOで下し、世界3団体王座統一に成功。試合後、改めて世界4団体王座統一を熱望し、年内開催を目指してバトラー陣営との交渉を開始した。
バトラーとの世界4団体王座統一戦について井上は6月27日に行われた日本外国特派員協会の会見で次のように言及した。
「バトラーとの交渉につきましては今、所属ジムの大橋会長からは交渉中と。流れ的にはいいと聞いている。具体的な日程などはまだ聞いていない。開催国については4団体統一の試合が実現するのであれば日本でもアメリカでもイギリスでもどこでもいいと思っている。実現に向けて進めていきたいなと思っています」
現時点で交渉の詳細は伝わってこないものの、統一戦実現に向けて交渉は順調に進んでいるようだ。井上は次戦に向けて6月28日に本格的なジムワークを再開した。