ウクライナのゼレンスキー大統領が2022年7月4日夕、東洋大(東京都文京区)でオンライン演説を行った。ゼレンスキー氏が日本向けの演説を行うのは、国会議員向けに行った3月23日以来、約3か月ぶり。
ゼレンスキー氏は大学生に対して、平和は「恵み」であり「奇跡」だと語る一方で、ロシアは「偽情報や、さまざまなプロパガンダを拡散」しているとも主張。情報発信も「武器」だとして、情報戦への協力を訴えた。
日本に避難するウクライナ人には「外交官や大使と同様の使命がある」
東洋大はウクライナ支援の一環として、4月にウクライナの3大学と協定を結び、5月から計12人を受け入れている。今回のオンライン演説は、その縁で実現した。
ゼレンスキー氏は冒頭のスピーチで、平和が貴重であることを
「皆さんが常識として享受していることは、実は大きな恵みだ。ミサイルや爆弾のない平和な空、破壊されていない家、死傷していない家族や周りの人たちは、実は大きな恵みだ。我々にとっては、それは奇跡だ。この奇跡がまた現実になるように、我々は武器を取って戦っている」
などと説いた。
会場からの質問に答える中で、情報戦にも言及した。「避難しているウクライナ人が、日本にいながらどのようなウクライナ支援ができるのか」という質問に対して、次のように述べた。
「他の方々に対して、アジア諸国の代表者たちに対して、事実の説明をしてほしい。ウクライナで起きている戦争のことを、他の国の方々が忘れないように、話をしていただきたい。皆さんもご存じのように、ロシアは多くお金を使って、戦争は起きていないという偽情報や、さまざまなプロパガンダを拡散している。皆さんにも外交官や大使と同様の使命があると思う。色々な方々に対して、話をしてほしい」