YouTuberグループ「東海オンエア」メンバーの虫眼鏡さんが2022年7月4日、絵本「ぐりとぐら」のパロディー動画が版元の申し立てを受け削除された騒動について、個人チャンネルで言及した。
「何はともあれ、申し訳ありませんでした!」
削除されたのは、登録者数約646万人を誇る人気ユーチューバー集団「東海オンエア」が19年2月に公開した「【超訳ぐりとぐら】『てつとゆめ』」という動画だ。
動画は人気絵本シリーズの第1作にあたる「ぐりとぐら」(作・中川李枝子さん、絵・山脇(大村)百合子さん)のストーリーをなぞり、赤色と青色の服を着た2匹の野ねずみに扮したメンバーのてつやさんとゆめまるさんが、森の中で見つけた大きな卵でカステラを焼くといった展開だった。
ツイッターでは2022年6月27日頃から動画が削除されているとファンの間で話題になり、版元の福音館書店ライツ事業室が28日、J-CASTニュースの取材に「事実です」と、著作権侵害の申し立て行ったことを認めていた。
虫眼鏡さんは、ラジオ動画をメインとする個人チャンネル「虫眼鏡の放送部」で公開した動画「#177 『パロディむず?』」で、今回のパロディ騒動に言及した。
虫眼鏡さんは、リスナーからの投稿に答える形で、「3年くらい前に撮った『てつとゆめ』って動画がですね、削除されてしまいまして。ちょっとしたニュースみたいなものにしてもらっちゃって、我々はね、てんやわんやの大慌てということですけれども......」とメンバー間でも騒ぎになっていたことを明かした。
虫眼鏡さんは「何はともあれ、申し訳ありませんでした!」と謝罪。
「この件に関してはお相手がいる話なので、僕が好き勝手に話すことで迷惑をかけてはいけません」としつつ、「こっちにも思うところというか、言いたいことはいっぱいあるんですけど。ダメと言われたらダメっていうのが著作権なんで。我々が『なんだよ! おかしいだろ!』って言う権利はね、無いわけでございます」とした。
「揚げ足取ってやろうと思ってる人がいるのか......」
書店とのやりとりはメンバーではなく、事務所の担当者が行ったといい、動画の削除に関する内情について触れた。
「書店さんがブチギレてるっていうわけでは無いらしくて......。なんかすごいそれ(パロディ動画)にクレームをつけてきた人がいるんだって。『これ著作権侵害してますよね! ダメなんじゃないですか!?』って。で、書店さん側もね、それを無視するわけにいかないから、じゃあまぁ......っていうことになったらしい」
虫眼鏡さんは、書店に問い合わせた人について「あの動画を見てめちゃくちゃ不快になっちゃった『ぐりとぐら』ファンの方なのか、それとも東海オンエアのことが嫌いすぎて何か揚げ足取ってやろうと思ってる人がいるのか分からないですけど」と訝しんだ。
「その方々には本当に申し訳ないことをしたなというか。ダメでしたか、ごめんなさい、っていう気持ち」としつつ、リスナーに向けて謝罪すべきとの指摘には「それはなんで? って思う」と反論。
「君たち何も言わなかったよね? 3年間。なんなら評判よかったくらいだからね、あの動画」
動画を編集したのは虫眼鏡さんであり「YouTubeの中の人もすごい褒めてくれて、僕の中では上手にパロディできたなって思ってた」と振り返った。
「東海オンエアがそれだけね、影響力を持った存在になったってことなのかな?」
虫眼鏡さんは今回の削除騒動によって、これまで東海オンエアが公開してきたパロディー動画が消される可能性もあるのではないか、と話した。
「東海リベンジャーズやってるでしょ、鬼滅の刃もパロディしてるでしょ? ドラゴンボールとかもしょっちゅうやってるし。ゴルゴもそうだね、あとあれだ、FF。そういうのも全部消した方がいいってことなのかね?」
事前に許可を得るべきだとする指摘は当然としつつも、「あまりにも現実味がなさすぎない? いやそれでも許可を取るのが当然でしょ、ってなるのであればもう2度とね、パロディ系の動画はやらない方がいいよなっていう風になる。この世の誰もパロディしんくなると思う」とした。
虫眼鏡さんは3年間動きがなかった動画が、削除された途端ニュースになったことが「なんか怖かった」として、「東海オンエアがそれだけね、影響力を持った存在になったってことなのかな?」とした。