「南海トラフ大地震」予言デマ騒動 不安あおった自称「2054年の未来人」の動機は?識者が分析

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冗談でネタ出しする人がいる一方で、自らの「予知能力」を信じている者もいる!?

   まず、井上氏は、これら予言系の話は信じるに値しない与太話だと一蹴しつつ、過去の類似の例を提示した。

「この手の『予言芸』で思い出されるのは、2010年に『2ちゃんねる』のオカルト板に書き込まれた、2062年からやってきた未来人と主張する者による予言です。内容は『未来からやってきたと主張する者が、あれこれ示唆的な内容を述べていた』というもので、その後、それらの中にはネットユーザーの間で『的中した』ともてはやされるものもありましたが、正直なところ、与太話の域を出るものではありません」

   となると、そもそも、与太話の発信者とはいったいどんな人物なのだろうか?

「『予言芸』は純粋なネタ話としてネタ出しを楽しんでいるという人がいる一方で、『自分には予知能力がある』と、全力では信じないまでも、半分程度でも信じてしまっている人が、未来人を装ってネット掲示板やツイッターで情報発信している場合もあるように感じられます。また、今回話題になった『2054年から来た人間による南海トラフ地震の予言』は、その構造からして『2062年からの未来人』のフォーマットを借りたものでしょう」

   また、井上氏は「予言芸」を行う動機について、以下のように推測した。

「ネタ出しのつもりで行っている人は承認欲求を満たすためでしょうし、自らの予知能力を半分程度でも信じてしまっている人は、自らが想定する災害による犠牲者を減らすべく『親切心』で情報発信を行っているのではないでしょうか。特に、後者の場合、『自称予知能力者』の人が未来の不幸を『予知』してしまった場合、『著名人の死』などに比べると情報発信を行いやすいという点があるからです。著名人の死を予言して外れた場合はネット上で非難囂々となるでしょうが、地震などの災害について予言した場合、外れた場合は『外れて良かったね』といった反応が期待でき、『予言を行ったこと自体』に非難が集まりにくいため、『親切心』を発露させやすいのでしょう」

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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