ジップエアが「食用コオロギ」入り機内食 気になる味は?

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   日本航空(JAL)傘下の中長距離格安航空(LCC)、ZIPAIR(ジップエア)は2022年7月4日、食用コオロギの粉末を混ぜた機内食を千葉県成田市内で報道陣にお披露目した。

   コオロギをはじめとした昆虫食は環境負荷が低く、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の実現に寄与したい考え。食用コオロギを養殖する徳島大発のベンチャー企業「グリラス」(徳島県)と組んで、新たに開発したメニューに、国産の「フタホシコオロギ」を粉末化したものを混ぜた。風味は「甲殻類とナッツの香り」。単に食べるだけではコオロギが入っていることには気付かない。

  • ジップエアが提供を始めた昆虫食の機内食。左から「トマトチリバーガー」(1500円)と「ペスカトーレ」(同)。それぞれコオロギ粉末を4~5グラム混ぜた
    ジップエアが提供を始めた昆虫食の機内食。左から「トマトチリバーガー」(1500円)と「ペスカトーレ」(同)。それぞれコオロギ粉末を4~5グラム混ぜた
  • 実際には、このように箱に入って提供される。左から「ペスカトーレ」と「トマトチリバーガー」
    実際には、このように箱に入って提供される。左から「ペスカトーレ」と「トマトチリバーガー」
  • 「トマトチリバーガー」
    「トマトチリバーガー」
  • 「ペスカトーレ」
    「ペスカトーレ」
  • 両メニューを手に笑顔を見せるジップエアの西田真吾社長
    両メニューを手に笑顔を見せるジップエアの西田真吾社長
  • 国産の「フタホシコオロギ」(右上)を砕いて粉末にしたもの(左上)を機内食に混ぜる。手前はベンチャー企業「グリラス」の自社食品ブランド「C. TRIA(シートリア)」
    国産の「フタホシコオロギ」(右上)を砕いて粉末にしたもの(左上)を機内食に混ぜる。手前はベンチャー企業「グリラス」の自社食品ブランド「C. TRIA(シートリア)」
  • ジップエアが提供を始めた昆虫食の機内食。左から「トマトチリバーガー」(1500円)と「ペスカトーレ」(同)。それぞれコオロギ粉末を4~5グラム混ぜた
  • 実際には、このように箱に入って提供される。左から「ペスカトーレ」と「トマトチリバーガー」
  • 「トマトチリバーガー」
  • 「ペスカトーレ」
  • 両メニューを手に笑顔を見せるジップエアの西田真吾社長
  • 国産の「フタホシコオロギ」(右上)を砕いて粉末にしたもの(左上)を機内食に混ぜる。手前はベンチャー企業「グリラス」の自社食品ブランド「C. TRIA(シートリア)」

環境意識高い米西海岸の住民にアピール

   グラリスの最高経営責任者(CEO)の渡辺崇人氏によると、ウシを1キロ太らせるためには10キロ程度の餌が必要だが、コオロギの場合は1.7キロ程度で済む。必要な水も大幅に少なく、環境への負荷も少ない。餌には廃棄されることも多い「ふすま」と呼ばれる小麦の殻などを使い、フードロスの削減にも寄与したとしている。

   ジップエアの西田真吾社長は、この2つ以外にも、環境意識の高い米西海岸の乗客にアピールする狙いを明らかにした。

「米国でも環境意識の高いカリフォルニア州、西海岸を中心に今は路線を張っていこうとしているので(編注:すでにロサンゼルスに就航しており、22年12月にはシリコンバレーに近いサンノゼ線も開設予定)、そういったお客様方に、新しい選択肢のある航空会社として認知いただけば、という思いもある」

メニューは1500円の「トマトチリバーガー」「ペスカトーレ」

   提供されるメニューは、バンズとパティ、トマトソースにコオロギ粉末を混ぜた「トマトチリバーガー」(1500円)と、トマトを使用したソースにコオロギ粉末を混ぜた「ペスカトーレ」(同)の2種類。コオロギ粉末は、それぞれに4~5グラムずつ使った。

   開発を担当したシェフのジャルロイヤルケータリング・増田恵太氏によると、コオロギの風味は「甲殻類とナッツの香り」。ただ、

「あまりコオロギを前面に出しすぎても、ご注文いただけないと思ったので、食べやすさを重視した」

といった配慮もあったという。

   成田とバンコク、シンガポール、ホノルル、ロサンゼルスを結ぶ4路線で提供される(ホノルル、ロサンゼルス線は成田発のみで提供)。他の機内食メニュー同様、事前予約が必要だ。事前予約を求めるのは、必要な数だけ飛行機に乗せることで、燃料代を節約したりフードロスを減らしたりすることが目的だ。

   昆虫食を機内食に取り入れる構想は22年3月に浮上。通常、新メニューの開発には半年~1年程度かかるが、夏休み需要に間に合わせようと、3か月程度で開発した。すでに7月1日から予約を受け付けており、現時点で7件の予約が入っている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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