日本航空(JAL)傘下の中長距離格安航空(LCC)、ZIPAIR(ジップエア)は2022年7月4日、食用コオロギの粉末を混ぜた機内食を千葉県成田市内で報道陣にお披露目した。
コオロギをはじめとした昆虫食は環境負荷が低く、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の実現に寄与したい考え。食用コオロギを養殖する徳島大発のベンチャー企業「グリラス」(徳島県)と組んで、新たに開発したメニューに、国産の「フタホシコオロギ」を粉末化したものを混ぜた。風味は「甲殻類とナッツの香り」。単に食べるだけではコオロギが入っていることには気付かない。
環境意識高い米西海岸の住民にアピール
グラリスの最高経営責任者(CEO)の渡辺崇人氏によると、ウシを1キロ太らせるためには10キロ程度の餌が必要だが、コオロギの場合は1.7キロ程度で済む。必要な水も大幅に少なく、環境への負荷も少ない。餌には廃棄されることも多い「ふすま」と呼ばれる小麦の殻などを使い、フードロスの削減にも寄与したとしている。
ジップエアの西田真吾社長は、この2つ以外にも、環境意識の高い米西海岸の乗客にアピールする狙いを明らかにした。
「米国でも環境意識の高いカリフォルニア州、西海岸を中心に今は路線を張っていこうとしているので(編注:すでにロサンゼルスに就航しており、22年12月にはシリコンバレーに近いサンノゼ線も開設予定)、そういったお客様方に、新しい選択肢のある航空会社として認知いただけば、という思いもある」