「タダ」でもらえる自販機も
プレハブ建築などを手がける大和リースは、同社が飲料の販売価格の一部を負担する自販機を18年5月から工事現場で導入。21年には同社の物流拠点・工場でも設置を始めた。
21年度の導入実績は工事現場が38か所、同社の物流拠点・工場が13か所。工事現場では「アクエリアス」を50円で販売し、物流拠点や工場では「ポカリスエット」「イオンウォーター」(いずれも大塚製薬)、「GREEN DA・KA・RA」(サントリー)などの清涼飲料水を50円~70円で販売している。
大和リースの広報担当者は22年6月29日、「取り組みに対する反響は大きく、協力会社さまからも喜ばれています」と説明。物流拠点や工場では「作業員や物流の運転手の方々に好評だった」とした。
飲料メーカー側も、事業者のニーズに応えている。サントリー食品インターナショナルは22年5月から「DAKRA給水所」(熱中症対策自販機)の展開を開始。設置場所は高温となる作業所周辺の休憩スペースや、工場内の設置を想定している。ラインアップはサントリーの法人向け熱中症対策飲料「DAKARA PRO」をはじめ、事業者が対象飲料の中から自由に選べる。
従来の熱中症対策自販機とは異なり、従業員が会社から配られた専用カードを自販機にタッチして、無料で飲料を受け取れる仕組みだ。カード代と飲料代は事業者側が負担する。同社の広報担当者は29日、「従業員に飲料が行き届いているか確認したい」という事業者の課題を解決するため、従業員の受け取り状況をチェックできるカード式を採用したと説明する。
担当者によると、工場などでは総務担当者が飲料をケースで購入し、1つずつ冷蔵庫から手渡しする例もあるという。このやり方では、従業員が飲みたいときに飲料が冷えていないという問題もあった。
給水所は6月27日に青森県の素材メーカーの事業所に初めて導入され、5台が設置された。担当者によると、従業員からは「冷たい飲み物が飲みたいときにすぐにもらえて嬉しい」「重い水筒を持ち歩かなくていいから楽」といった声が聞かれ、企業側も「全従業員に均等な福利厚生の提供ができる」と好意的に受け止めているという。給水所は23年に100台の設置を目指す。
(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)