「この人達なら一緒に店をやりたい」 閉店する東京最古のジャズバー「シャルマン」の意志継ぐ店ができるまで

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他店オーナーを説得した、シャルマン常連の熱意

   「Player's Bar R」は塚本オーナーが2017年ごろにオープンした。

「音楽が好きだったから、生演奏のできる店が作りたくて、カラオケスナックを居ぬきで借りました。もともとコテコテのカラオケスナックでしたが、仕事仲間に協力してもらって手作業で内装を作り直しました。壁の色も天井も自分たちで塗りました」(塚本オーナー)

   塚本オーナーの本業は作業療法士で、放課後等デイサービスの事業責任者を務める。2020年、新型コロナウイルス感染症拡大や本業が忙しくなった影響で、店を続けることが難しくなった。営業できないまま店を維持する余裕はないが、思い出の詰まった店を手放すこともできなかった。

   そんな時、早坂さんと坂下さんからシャルマンを移転できないかと相談された。塚本オーナーは、「移転の話は魅力的だと思いましたが、賃貸の契約上、又貸しができない点や、自分たちが作ってきた店が全く異なる店になってしまうのではないかという心配から躊躇しました」と振り返る。

   話し合いを続ける中で、塚本オーナーは「シャルマンの音を残したい」と願う早坂さんたちに何らかの形で協力したいと考えた。移転は受け入れられなかったものの、シャルマンの常連たちと一緒に店を営業することを決意した。協力の決め手については、こう話す。

「一言でいえば、早坂さんと坂下さんの人柄が誠実で、信頼できる人だと感じたからです。話を進める中で二人の人柄の良さが伝わってきて、この人達とだったら一緒に店をやりたいと感じました」

   「Player's Bar R」は2022年6月16日、「モダンジャズPlayer's Bar R」としてリニューアルオープンした。店には、シャルマンのものと同等の音響機材と約1200枚のジャズレコードが運び込まれた。店の運営は、早坂さんと坂下さんを含むシャルマンの常連5人が手伝うことになった。

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