プロボクシングのWBC、WBO世界バンタム級1位ジェイソン・モロニー(オーストラリア、31)が、井上尚弥(大橋、29)が目指す世界バンタム級4団体統一戦に言及した。米専門メディア「Ringnews24」(WEB版)が2022年6月30日に伝えた。
モロニー「バトラーのことをとても尊敬している」
モロニーはWBCとWBOの2つの団体で世界ランク1位に付け、指名挑戦者としての権利を有する。現在WBC王座は井上が保持し、WBO王座にはポール・バトラー(英国、33)が君臨している。
「Ringnews24」によると、モロニーは「WBCとWBOで1位にランクされたことを嬉しく思います」と率直に胸の内を明かし、井上が年内開催を希望している世界4団体王座統一戦について言及した。
モロニーは「バトラーのことをとても尊敬している」と前置きし、「世界4団体王座統一戦を邪魔するつもりはない。仮に井上とバトラーの試合が実現しなかった場合は、次戦でバトラーと戦うつもりです」とのビジョンを明かした。
複数の王座がかけられた王座統一戦では、それぞれの団体の指名試合がネックとなるケースがある。今回WBC、WBOの2団体で世界1位に付けるモロニーが指名試合の権利を主張しないことでよりスムーズに井上、バトラー陣営の交渉が進むとみられる。
モロニー「井上が殴られるのを誰も見ることが出来ない」
また、英メディア「PLANET SPORTS」(WEB版)によると、世界王座認定団体WBC(世界ボクシング評議会)のマウリシオ・スレイマン会長(52)が「誰もが認めるチャンピオンを見たい」との意向を示し、実現に向けて柔軟性を持って他の認定団体やプロモーターらと働いていることを明かしたという。
モロニーは20年10月に米ネバダ州ラスベガスで井上に挑戦し7回KOで敗れている。6回に左フックでダウンを喫し、7回には強烈な右のカウンターで膝から崩れ落ちたところでレフリーが試合をストップした。
井上の強さを実体験しているモロニーは「彼(井上は)は本当にパウンド・フォー・パウンドのスーパースター。彼が体重を増やして階級を上げても、彼に近付ける人はあまりいないでしょう。現時点で彼が殴られるのを誰も見ることが出来ない」と最大級の賛辞を送った。
なお、WBOは5月のバンタム級ランキングで前王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン、32)を1位にランクしたが、6月の最新ランキングでカシメロは2位に降格し、前回3位のモロニーが1位にランクアップした。
Show. Closed. ??
— Top Rank Boxing (@trboxing) November 1, 2020
In the closing seconds of Round 7, @naoyainoue_410 sealed a dominant performance like no one else in the Bantamweight division can. Beware. #InoueMoloney pic.twitter.com/CnABtOy8zS