新型コロナウイルスに感染した沖縄県の玉城デニー知事(62)が、感染判明前にライブハウスを訪問し、そのときのノーマスク姿がツイッターに投稿されて批判が広がっている。
玉城氏を支える「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」では、「通常はマスクをしていますが、支持者から希望があれば少し外すことはあります」と取材に説明した。ライブハウスのオーナーにも、当時の話を詳しく聞いた。
「感染対策のトップとして自覚が足りない」との声も
半袖姿のラフな恰好をした玉城氏が、出演者らが横にいる中で、マスクをせずにマイクを握っている。
この写真は、2022年6月26日にツイッターに投稿された。さらに、玉城氏が飲食店で若い女性2人に囲まれ、ノーマスクでポーズを取る写真もあった。
投稿者は、沖縄は依然として感染が収まらずに深刻な状況なのに、玉城氏は何をやっているのかとツイッターで疑問を呈した。
地元紙の報道や沖縄県の秘書課が29日に取材に答えたところによると、玉城氏は27日の19時26分ごろ、親族の感染を知らされた。玉城氏は前日の26日に、この親族とノーマスクで1時間半ほど接触していた。
27日は、県議会が開かれており、玉城氏はその後も、19時40分から55分間にわたって答弁に立った。秘書課では、「その時点では濃厚接触者だとは確認できませんでした」と取材に答えたが、議会では、野党議員から対応はできたはずだと批判が出ていると報じられている。
玉城氏は、28日午前にPCR検査を受け、コロナ陽性だと診断された。玉城氏は、ワクチンの3回接種を済ませており、コロナ感染は初めてだという。議会で近くにいた副知事や部局長ら23人についても、検査が行われたが、全員陰性だった。
玉城氏のコロナ感染が県から報道発表されると、ツイッター上では、ライブハウスでのノーマスク写真が改めて取り上げられ、感染対策のトップとして自覚が足りないのではないかと批判の声も出た。
「通常はマスクするが、支持者の希望で少し外すことはある」
玉城氏は、ライブハウスなどで感染したのではないかとの声も出たが、県の秘書課は、「親族から感染した蓋然性が高いと考えています」と取材に説明した。
同課によると、玉城氏は親族と接触する前の6月24日にライブハウスを訪れていたが、「公務として行かれたわけではありませんので、詳細については把握していません」と話した。ただ、マスク着用が適切だったかについては、「その状況については、確認しているところです」と答えた。
ツイッター上では、玉城氏は別の店でもその姿を見たとの情報が流れており、地元紙の沖縄タイムスも29日、ライブハウスとはしごをして飲んでいたと報じている。この点については、同課は、「聞いてはいますが、直接確認できていません」とした。
玉城氏は、「多くの方々にご心配とご迷惑をかけ深くおわびする」とのコメントを発表したが、感染の経緯については、29日20時時点では、ツイッターで何も説明していない。玉城氏を支えるオール沖縄会議では、「普段はマスクをしていますが、支持者から『顔を見せて下さい』と希望を言われれば、少しマスクを外すことはあると思います」と担当者が話した。
玉城氏が顔を出したライブハウスは、沖縄市内のバー「CANNON CLUB」で、オーナーの宮永英一さんは29日、取材に当時の状況をこう説明した。
「デニーさんは以前、僕らのバンドのボーカリストだったことがありますので、ライブを聞きつけて突然、応援に来てくれました。とてもうれしかったので、僕がデニーさんにマイクを渡しました。マスクは、ステージであいさつしてもらうときだけに外していました。ステージで歌ったり、しゃべったりするときは、マスクはしません。デニーさんを囲んだ女性2人は、バンドのボーカリストで、並んで写真を撮るときにマスクを外していました。デニーさんがおられたのは、10分までいかないぐらいでしたね」
玉城氏のコロナ感染判明後、本人から宮永さんに電話が来て、感染のことを伝えられたという。
「デニーさんから心配して『大丈夫ですか?』と聞かれましたので、PCR検査を29日に受けに行きました。30日の夕方に結果が出ると聞いています。ライブからコロナ陽性者が出たというのは、まだ聞いていません」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)