音楽ユニット「STAR KIDS」のSpace Boy さんが2022年6月25日にインスタグラムに投稿した写真をめぐり、「炎上」騒ぎが起こっている。
大量のアイスを詰めたレジ袋を本人が両手に持っている写真も
写真はSpace Boyさんがコンビニのアイスの冷凍ショーケースに上半身を入れている様子を撮影したもの。投稿はほどなくして、衛生面で問題があるなどとネット上で話題になり「炎上」。その後、Space Boyさんのインスタグラムには、大量のアイスを詰めたレジ袋を本人が両手に持っている写真が掲載された。ショーケースにあった大量の商品を購入したとアピールする狙いがあるとみられる。いずれの書き込みも写真だけが掲載されており、特段の説明文はない。
これらの投稿に対しては、「アイスを買いに来たほかの客に迷惑がかかるし、冷凍庫に上半身を入れて密着するのは不衛生なので炎上回避できていない」といった非難の声のほか、「2013年頃のバカッターかよ」といった、かつてネットを騒がせた炎上投稿を思い出したとする声がツイッターに相次いだ。
というのも、13年7月にはコンビニ店員が勤務先の店舗のアイスの冷凍ショーケースの中で寝ころんだ姿を写した写真がフェイスブックに投稿されるという、今回の件と類似した騒動が起きたからだ。また、同年にはこれらに類似したSNSへの投稿が相次ぎ、その都度炎上。そのため、この手の騒動は「バカッター」などと呼ばれるようになった。
今回の騒動の背景には何があるのか。Space Boy さんが所属する「STAR KIDS」に写真投稿の動機などについて取材を申し入れたが、期限までに回答はなかった。
「無個性な迷惑行為」が「冷めた嫌悪感」を呼ぶ
今回の騒動は、かつて起きた騒動への「原点回帰」なのか。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は次のように話した。「原点回帰」ですらなく、「バカッターをまたやっただけ」だと表現した。
「『原点回帰』となるとあたかも、新しい要素を伴いつつブームが再興したかのような印象が出てしまいます。そうではなくて、今回の一件は迷惑行為の後にアイスを購入したとみられる投稿があったものの、炎上のきっかけになった投稿には新しい要素は見当たりません。要は、『バカッターをまたやっただけ』と言えば良いでしょうか」
さらに、井上氏は新しい要素がないがゆえに、今回の投稿はネット上で話題に上ったという皮肉な一面を指摘した。
「今回の一件は『新しい要素がない』という点に対し、『何をやっているの?』という冷たい目線が注がれたように思います。音楽家という、世の中から『個性』を要求されているであろう人が新しくないこと、つまりは無個性な迷惑行為をやっているというのが、ネットユーザーに『冷めた嫌悪感』とでもいうものを抱かせたのではないでしょうか」
加え、井上氏は新型コロナウイルスの流行状況も絡めて、今回の騒動を総括した。
「2021年の6月にはコンビニ、ピザ店、カレー店で『バカッター』の店員版たる『バイトテロ』が相次ぎました。当時、これらの騒動が起きた際に、コロナはまだ猛威を振るっていました。しかし、現在はコロナの勢いは以前ほどではなく、このため、社会の閉塞感や俗にいう『コロナ疲れ』は21年ほど強いとは言えないと思います。このような状況下では、ネットユーザーとしては『コロナで若者が抑圧され、迷惑行為でストレスを発散した』といったお目こぼしをする人は少ないと思います。かといって、迷惑行為を看過するわけにもいかないので、怒りの視線の中でというよりは、冷たい視線が集まる中で炎上したと言えば良いのではないでしょうか」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)