秋田県の魅力を発信して移住や定住を促進させたい
秋田型教育留学推進事業を推進した背景には少子高齢化がある。探究型授業や豊かな自然などの「教育資源」が秋田県の強みだとして、事業を通して秋田の魅力を全国に発信し、関係人口の増加や家族ぐるみの移住・定住の促進につなげる狙いがある。
事業には、過去5年間の実施で延べ366人の児童生徒が参加した。アンケートの「また参加したいか」という設問には、子どもたちのほぼ全員が肯定的な回答を寄せたという。実際に、過去5年間の留学生のうち102人はリピーターだった。家族留学には21年、県外から1組が来県し、参加した保護者からは「自分の考えや気付きを付箋に書いて議論する授業の進め方は、みんなが参加できる、一人ひとりの考えを伝えることができるので良いと思いました」という感想が寄せられた。
ツイッターでは6月7日、あるユーザーが秋田型教育留学推進事業を紹介し、大きな話題となった。このユーザーは、職場の先輩の子どもが同プログラムに参加したと説明する。その子は思春期に突然、親に対して暴言を吐くなどの問題行動を起こし始めたそうだが、留学後には生まれ変わったような顔で帰ってきたのだという。リプライ欄には、「環境を変えるって良いですね」「『可愛い子には旅をさせろ』とは良く言った物だ」「国内留学って手軽でいいかも」と納得する声が寄せられた。
こうした反響について、佐々木さんは次のように受け止める。
「SNS への投稿も確認しましたが、第一に、過去の利用者が本事業を通してよい影響を得られていたことが嬉しかったです。ただ、この教育留学の趣旨は、あくまでも秋田の魅力発信による関係人口の増加や、本県への移住・定住の促進です。決して問題をかかえたお子さんだけを対象としたものではないことはお伝えしたいと思いますし、保護者の方としっかり連絡を取り合って受入を進めていきたいと考えております」