北朝鮮「凶作」リスクで予断を許さない状況に 「コロナ+熱波」ダブルパンチか

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   コロナ禍の対応に終われる北朝鮮が、今シーズンも食糧難に悩まされる可能性が出てきた。国連世界食糧計画(WFP)が2022年6月21日に公表した報告書によると、21年冬~22年春のシーズンでは積雪や降水量が少なかったため、収穫が減少する見通しだ。

   穀物生産量の大半を占め、22年9~10月頃に収穫する「夏作物」は、降雨不足で作付けが遅れている。生育のカギとなる7~9月の降水量は平年並みを見込むが、熱波に見舞われる可能性もあり、予断を許さない状況だ。

  • 2021年の6月の朝鮮労働党の会議では、金正恩総書記が食糧難について異例の言及をした。北朝鮮では慢性的な食糧不足が続く(写真は労働新聞から)
    2021年の6月の朝鮮労働党の会議では、金正恩総書記が食糧難について異例の言及をした。北朝鮮では慢性的な食糧不足が続く(写真は労働新聞から)
  • 2021年の6月の朝鮮労働党の会議では、金正恩総書記が食糧難について異例の言及をした。北朝鮮では慢性的な食糧不足が続く(写真は労働新聞から)

9~10月までの需要支えるジャガイモは「北朝鮮の食糧安全保障にとって重要」

   北朝鮮の農業には大きく3つのシーズンがある。メインシーズンが4~10月の夏作物。主にトウモロコシとコメが生産され、年間の穀物生産量の9割を占める。冬作物は10月に種をまいて6月に収穫。春作物は、「3月作付、7月収穫」だ。冬、春の作物が穀物生産量全体に占める割合は小さいが、ジャガイモの半分が春先に収穫される。夏作物が収穫される9~10月までの食糧供給を補う意味で、報告書では「北朝鮮の食糧安全保障にとって重要」だとしている。

   主要穀物の大半が西部で生産されており、特にコメは、ほとんどが南西部の黄海南道(ファンヘナムド)で生産される。田植えシーズンは4~5月だが、22年の降水量は例年の3分の1程度で、大幅に遅れた。そのため「初期生育段階で不利な状況」だったとみている。

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