俳優・水谷豊さん(69)主演の人気ドラマシリーズ「相棒」(テレビ朝日系)の最新作が2022年10月期から2クールにわたって放送されることが、6月23日に発表された。5代目相棒役に、初代相棒・亀山薫を08年12月まで演じた寺脇康文さん(60)が同じ役名で起用されることも明かされた。
ドラマは水谷さん演じる警視庁の杉下右京警部と、その相棒によるコンビが事件を解決するストーリーとなっている。新シーズンの発表がなされるや、ツイッターには「一番好きな相棒なの...寺脇さん...ありがとうございます」と言った喜びの声が続々と上がったが、「相棒原点回帰してラストシーズンになるのかなあとか思ってしまったけどどうなんだろ」といった、シリーズ終了を予感する声も上がっている。
寺脇さんの再登板にはどんな意図があると考えられるか、シリーズ完結への伏線なのか――。J-CASTニュース編集部はドラマ、演劇、映画に詳しいライターの木俣冬氏に分析を依頼した。
「一旦ゼロに戻ってまだまだ続くという意気込みがあるようにも感じます」
まず木俣氏は、人気ドラマシリーズに多い「終わり方」を指摘する。
「シリーズが長く続く人気作のまとめ方には主に2パターンあり、1つは、華々しく『シリーズ完結!』と、明確に終わりを打ち出すというものです。もう1つは、淡々とこれからも変わらない日常が続いていくような永遠感を出すというもので、後者は、あわよくば番組を復活させたいという願望が込められたまとめ方だと思います」
では、寺脇さんの復帰は視聴者が恐れるラストシーズンの兆候なのだろうか。
「前者の場合、過去に因縁のあった人物がラスボス的に登場し主人公と対峙するみたいなことがありますが、今回の『相棒』の亀山薫の場合はそうではなく、視聴者の皆さんが指摘している通り、原点回帰です。とすると、一旦ゼロに戻ってまだまだ続くという意気込みがあるようにも感じます。こうすれば、終わる終わらないにかかわらず『ラストかも?』といった声が上がるので、それだけで話題になります」
最後に、木俣氏は以下のようにも指摘した。
「亀山薫という登場人物は同じでも、今の時代に合わせてキャラや属性やエピソードのアップデートはするでしょう。『初代相棒の復帰』は、ドラマが完結してもしなくてもどちらにしても盛り上がる最高のプランだと感じます」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)