なぜ200円?
シリーズのヒットについて、林さんはこう受け止めを語る。
「競合他社さんのお弁当は、基本的には彩りが良かったり、おかずの数が多いものばかりです。でも、実際には『美味しそうに見える』かどうかを気にせず、おかず単品だけの弁当があってもいい、と考えていた方もたくさんいらっしゃったのかなと思います」
「だけ弁当」シリーズは一般的なコンビニ弁当と比べてサイズが小ぶりなこともあり、サラダや他のおかず、ドリンク、デザートと一緒に購入する消費者が多いという。そして、200円という価格設定も「合わせ買い」を意識したものだ。
「私もそうですが、妻子がいるサラリーマンですと、使えるお金が限られてきます。限られたお金の中で考えると、昼食は500円くらいで抑えたいというのが皆さんの希望だと思うんですよ。でも、実際に外食してしまうと、800〜1000円かかってしまう。お弁当が200円くらいであれば、サラダや飲み物などを買い合わせても500円以内で済むんです」
同社では一食200円という価格設定を維持するために、「バラン」と呼ばれる緑色の間仕切りの不使用、プラスチック蓋ではなくラップの使用、既存商品と同じ弁当容器を使用するなどして、コストカットをしているという。
現在、食品業界では値上げの波が押し寄せている。今春には大手コンビニ各社が、弁当や麺類、パンなどの値上げを行った。「だけ弁当」の「税抜き200円」という価格設定はどうするのだろうか。
「もちろん、200円で継続して販売していきたいと思っています」
林氏は「値段を上げると、他の弁当とそんなに差がなくなってしまう」とし、「だけ弁当」の強みである「低価格」を守りたいと話す。
シリーズの今後については「5弾6弾は考えていますけど、それは内緒です」。林氏の頭の中には、次なる「だけ弁当」のアイデアが眠っている。