東京都の小池百合子知事が2022年6月24日の定例会見で、参院選(6月22日公示、7月10日投開票)の応援演説で国連本部の東京誘致に言及したことについて、真意を問われる場面があった。
日本は国連に対して、米国、中国に次いで3番目に多い分担金を支払っており、小池氏はこの状態を「ATM」だと批判。日本が23年1月から2年間にわたって国連安保理の非常任理事国を務めることを契機に、国連本部の誘致を通じて「本当の意味の外交力を発揮してもらう場を自ら確保していく」ことの必要性を主張した。
「是非とも東京に国連本部、持ってこようじゃありませんか!」
小池氏の誘致構想は、公示日の6月22日の「第一声」演説の終盤で出た。いわく「先日、ある外交官が言いました。『どうして東京に国連本部を持ってこないんですか?』」。非常任理事国入りやATMの件に言及した上で、国連憲章の旧敵国条項を念頭に、
「そういう中できっちりと敗戦国のスタンプが押されている我が国を、それを取り除くということ、こんなチャンスないではありませんか。安保理での体たらく、皆さんご覧になったでしょう?非常任理事国になったから、2年間あるんだったら、是非とも東京に国連本部、持ってこようじゃありませんか!外交の岸田さん、それやりましょう」
などと訴えた。
「国民の皆さんの多くが、そう思っておられるのではないか」
定例会見で真意を問われた小池氏は、演説と同様の主張を改めて展開。安保理の機能不全を「安保理っていうのは、どういう役目なのかと...」などと批判した。東京に誘致すべきだとした外交官の発言を「非常に示唆に富むことだと、常々思っていた」として、誘致の意義を次のように述べた。
「この際、ニューヨークの国連本部を東京に移す。国内に移して、本当の意味の外交力を発揮してもらう場を自ら確保していく。これも国連の中で賛成が確保できないと難しい話だが、まず米国と連携しながら進めていく、かつ他の国々にも働きかけていくというぐらいの、大きな政治をしてほしい、という意味で申し上げている。ATMではダメだと思う。このことは、国民の皆さんの多くが、そう思っておられるのではないか」
「都として何か誘致活動をやっていくという、具体的なところまで考えているのか」
という記者からの確認には、
「東京には、すでに国連大学がある。それらを含めて、東京都としてできることはないのか、ということはしっかり模索していきたい」
と応じた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)