ZUNさんが運営する同人サークル「上海アリス幻樂団」が手掛ける作品群「東方Project」の二次創作から発展した動画ジャンルとして知られる「ゆっくり茶番劇」。第三者にあたるユーチューバー・柚葉さんが、「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得したと発表し、関係者らが対応に追われるなどの騒動に発展した。
それから約1か月経た2022年6月22日、柚葉さんは騒動について「外野の不適切な行為の結果による炎上」などとツイッターで持論を展開した。
商標騒動にドワンゴは「憤り」を表明
柚葉さんは5月15日、「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得したとツイッターで報告した。後に撤回したものの、商用利用には10万円の年間使用料を要求するとし、ネット上で批判を集めた。
「ゆっくり茶番劇」はニコニコ動画でも一定の人気を誇るジャンルで、騒動以前に投稿された動画は2000件を超える。ニコニコ動画を運営するドワンゴは5月23日、プラットフォーマーの立場から「コミュニティが築き上げてきた文化を独占・私物化するような行為」に憤りを覚えているとして、記者会見を行った。ZUNさんの同意を得て、「ゆっくり茶番劇」の商標登録に対する無効審判請求を行うなどの措置を検討していると発表した。
翌24日、柚葉さんは23日付で商標「ゆっくり茶番劇」の抹消登録申請を行ったと発表した。理由は「関係者等に対する誹謗中傷及び名誉棄損・虚偽・捏造された情報の流布により本来の目的を全うすることが困難となった為」だとしている。特許庁は25日に申請を受理し、騒動は落ち着き始めた。ドワンゴは、「商標として登録されるべきではなかったということを明らかにする」として、発表通り無効審判請求を行う予定だ。
炎上は「外野の不適切な行為の結果」なのか
一連の騒動について柚葉さんは6月22日、次のような持論を展開した。
「今回の騒動について本来は炎上するべきでなかった事案であり、下記に掲げるような外野の不適切な行為の結果による炎上であったと考えております。
・大手配信者数名が行った『東方Projectの立ち絵画が使えなくなった』等の誤った情報の拡散
・爆〇予告等の当該事案と一切関係の無い行為」
「ゆっくり茶番劇」は「東方Project」のキャラクターなどを用いた会話劇として知られる動画ジャンルであるため、インターネット上ではキャラクターを用いた動画を投稿すると利用料が発生してしまうのではないかという推測が広まっていた。さらに、柚葉さんや関係者と接触したなどと、便乗した虚偽動画が拡散されていたという。
柚葉さんはこうした投稿について「不適切な拡散」や「便乗した虚偽動画の拡散」だと断じる。これらは視聴者に対して、重大な誤解を生んだなどと主張した。
ツイートによると、柚葉さんに対して誹謗中傷が寄せられていたほか、出願を担当した海特許事務所には爆破予告があった。不適切な拡散行為や誹謗中傷などの投稿に対しては専門家とともに調査中だとしている。
柚葉さんの主張に対し、インターネット上では「そもそも商標登録しなけりゃ起こらなかった」「10万の使用料は事実だし、東方キャラ云々はおまいの説明不足」と指摘する声も寄せられている。
柚葉です。
— 柚葉 / Yuzuha【公式】 (@Yuzuha_YouTube) June 22, 2022
今回の騒動について本来は炎上するべきでなかった事案であり、下記に掲げるような外野の不適切な行為の結果による炎上であったと考えております。
・大手配信者数名が行った「東方Projectの立ち絵画が使えなくなった」等の誤った情報の拡散
・爆〇予告等の当該事案と一切関係の無い行為 https://t.co/bm7GdyJSwe pic.twitter.com/PPauAlgysr