世界遺産の法隆寺(奈良県斑鳩町)が2022年6月15日に始めたクラウドファンディングの勢いが止まらない。開始1日で目標額の2000万円に到達すると、その後も支援額は増え続け、22日14時現在で1億円が目前に迫っている。
法隆寺は「想像を絶するご支援」により、準備していた返礼品がなくなってしまったと説明。「ご希望いただいたお品を準備できず誠に申し訳なくお詫び申し上げます」と謝罪する事態になっている。
拝観者減少で減った維持管理費を補う
「世界遺産法隆寺ー1400年の歴史遺産を未来へー」と題したクラウドファンディングは、法隆寺の維持管理費を募る目的で開始した。拝観料で維持管理費を賄ってきたものの、新型コロナウイルスの影響で拝観者が減少。「この状況が続けば法隆寺を十分に護っていくことが危ぶまれる」とし、寄付を呼びかけた。
開始直後からメディアに取り上げられると、ネット上で大きな話題に。1日で目標金額の2000万円が集まった。その後も支援の輪が広がり、22年6月22日14時現在で9500万円を超える支援額が集まっている。
そうした中、同寺は22日正午にクラウドファンディングのページで「ご支援頂いた皆様への御礼とご支援希望者へのお詫び」と題したお知らせを掲載。支援は「私どもの予想をはるかに超えた」ものだったとし、「本当に有り難く、力強い皆様方のお心持ちに対し感謝に堪えません」と支援者に感謝した。
一方で、「想像を絶するご支援に対し、準備させていただいた返礼品がなくなってしまうという事態になっております」と返礼品の状況を伝え、「ご希望いただいたお品を準備できず誠に申し訳なくお詫び申し上げます」と謝罪した。
クラウドファンディングには5000円〜100万円の支援コースが用意されているが、「ぐい呑み」がもらえる5万円コースや、「散華」がもらえる1万円、3万円のコースは22日14時現在で在庫がなくなっていた。
事態を受け、同寺は準備可能な「限定御朱印」を5000円の「お気持ち応援」を除く全コースに追加。「本日までに該当のコースをご支援いただいた皆様には、追って個別にメッセージをお送りさせて頂きます」とした。
クラウドファンディングは7月29日まで行われる。