大手予備校「東進ハイスクール」が「日本初!!90日先の天気まで分かる!」とうたって公式サイト上で公開している天気予報について、気象予報士らからネット上でツッコミが相次いでいる。
当たる根拠はなく、予報を出す意味がどこにあるのか、という疑問だ。東進側は、「予報が当たるかと言われれば、難しいとは思います」とする一方で、「受験生にとっては、何もないより目安があった方がよい」と説明している。
米国の気象情報会社など3社から情報提供受ける
例えば、東京大学本郷キャンパスの天気を公式サイトで見ると、2022年6月20日現在で、90日後の9月17日土曜日の天気は、「雨時々曇り」となっている。日中、夜間でそれぞれ、最高気温が26度、最低気温が23度、降水確率が40%、50%だった。
こうした情報は、公式サイトの「全国学校のお天気」のページで検索すると出てくる。その際に、「学校見学やレジャー、出張の計画などにお役立てください」とPRしていた。このページでは、2週間後までの1時間ごとの天気まで詳しく出ていた。
ページの下部には、天気データの出典を示すバナーが3つ表示されている。日本の気象情報会社「ハレックス」、アメリカの気象情報会社の「World Weather Online」と「Accu Weather」だ。東進ハイスクールの運営会社ナガセは、気象庁が許可した予報業者ではなく、この3社から情報提供を受けている。
東進の天気予報については、6月17日に気象予報士が90日先の予報に意味があるのかとツイッターで問題提起して、大きな話題になった。
気象関係者の間では、「現在の予報技術じゃあり得ない」「根拠を持って当たるわけないと思うが...」などと異論が続出している。予報については、気象庁の許可が必要とした気象業務法の第17条に違反しないのかと懸念する声も出ていた。
気象庁のサイトによると、同庁では、天気予報は1週間先まで出しているが、それより先になると移動性の低気圧や高気圧を予測したり局地的な天候を予測したりすることが困難になる。このため、向こう1か月間や3か月間は、季節予報として、確率表現を用いて地域の平均的な天候を予測している。