プロボクシングの世界5階級制覇のノニト・ドネア(フィリピン、39)の実父ノニト・ドネア・シニア氏が、ドネアと元WBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン、32)の対戦の可能性を否定したと、2022年6月16日に地元メディアが伝えた。
「なぜカシメロと戦わなければならないのか」
フィリピン放送局「GMA」(WEB版)によると、ドネアのトレーナーを務めるドネア・シニア氏は、今後ドネアがカシメロと戦うことはないと明言し、その理由についても説明している。
ドネア・シニア氏は「カシメロには戦うためのもの(世界王座)がないので戦う意味はない」と述べ、「なぜカシメロと戦わなければならないのか。ドネアとカシメロの対戦に誰が金を払うのか?」と主張した。
また、ドネア・シニア氏はカシメロがポール・バトラー(英国、33)と予定していた防衛戦を2度にわたってキャンセルした事実を突きつけ、「カシメロが118ポンド(バンタム級リミット=53.52キロ)を作れると誰がまだ信用するのか」と疑問を投げかけた。
カシメロはウイルス性胃腸炎を理由に21年12月にドバイで予定していたバトラー戦の前日計量をキャンセル。防衛戦は22年4月に改めてセットされたものの、今度は減量の過程で英ボクシング管理委員会の定める規定違反に抵触したためリングに上がれなかった。
「(カシメロは)タイトルを剥奪されるだろうと思った」
カシメロの一連の問題行為にドネア・シニア氏は「彼がドバイで起こした問題の後でタイトルを剥奪されるだろうと思った。彼は別のチャンスを与えられたが、また同じことだった」とバッサリ切り捨てた。
前WBC世界バンタム級王者ドネアは6月7日の世界バンタム級3団体王座統一戦で井上尚弥(大橋、29)に2回TKO負けを喫し無冠となった。進退に関しては明かしていないが、ドネア・シニア氏は衝撃的なTKO負けを喫したドネアに引退を勧告していた。
また、2度の世界戦キャンセルなどで21年8月のギレルモ・リゴンドー(キューバ、41)との防衛戦以来リングから遠ざかっているカシメロは、王者復帰を目論み現WBO王者バトラーとの対戦をアピールする一方、SNSで井上への挑発を繰り返している。
The MONSTER wasted no time ?? @naoyainoue_410 knocked out Nonito Donaire in two rounds. #InoueDonaire2 pic.twitter.com/WmMxwcWRib
— ESPN Ringside (@ESPNRingside) June 7, 2022