ブルボン(新潟県柏崎市)の飴菓子「キュービィロップ」にツイッターで大きな注目が集まっている。「昔、子どもの頃舐めたことあります」「いつの間にか見なくなったなぁ」と懐かしむ声が広がったが、ブルボンによれば1986年に発売して以来のロングセラー商品。現在も販売中だという。
キュービィロップは、キューブ状のカラフルなキャンディーを1つの個包装の中に2粒入れた商品。1包装内の2粒は異なる味になっている。いったいどのような経緯で生まれた商品なのか。
SNSでしばしば話題に
キュービィロップは、8種類の味を定期的に入れ替えながら販売を続けている。定番のフレーバーは、グレープ・ストロベリー・オレンジ・パイナップル・ピーチ・レモンの6種。これに加え現在は、シャイマスカットとソーダの2種が加わっている。
ツイッターで2022年6月8日、「これまじで知ってる人絶滅危惧種だと思う」などと商品を知っている人がいるか、呼びかける投稿があり、9万リツイート、28万9000「いいね」を超える大きな反響があった。過去にも同様のツイートはある。1月に平成の流行を振り返るアカウントが紹介し、1万8000リツイート、7万1000「いいね」を超える反響があった。
リプライ欄には、習い事、理髪店や料理店の帰りにもらったといった声が多く寄せられている。祖父母の家によく置いてあるという声もあった。しかし一部からは「最近見ない」という声もある。
取材に対しブルボンは16日、全国の量販店、ドラッグストア、小売店などで販売していると述べる。なぜ「懐かしまれる」商品となったのか、生産数に変化はあったのか。ブルボンは次のように答えた。
「『キュービィロップ』のようなロングセラー商品は、多くのお客様の思い出とともにあり、多くの方に覚えていただいていることから、お客様の思いに繋がっているのだと考えています」
生産数の変化については、言及しなかった。
なぜ1袋に2粒詰めたのか
1つの個包装の中に異なる2粒の飴を入れるという、ユニークな特徴は次のような経緯から生まれたという。
「当時の飴は1粒6~8gが主流で消費者の中には『舐め切るのに時間がかかる』という不満足点がありました。
そこで、キュービィロップは大きさを1粒2gと小粒にして、舐める時間を短縮しました。1つの個装に2粒を入れたのは、様々な味を楽しめるように、という工夫によるものです」
一度に2粒食べても、2回に分けて個別の味を楽しむのも購入者の自由だとしている。
8種類の味はカラフルな色合いを意識しながら、幅広い年代に親しまれるよう、時代に合わせたフルーツの味を取り入れているという。過去にはマンゴー味やライチ味を入れたこともあった。新しい味を加える際には、それぞれを組み合わせた時に違和感のないよう注意しながら、風味を決定しているそうだ。
ブルボンは、時代や社会背景によって菓子に対して求められるものは変化すると述べる。今後は家庭消費用のファミリータイプだけではなく、持ち運びやオフィスでの利用に便利なパーソナルユース商品などのニーズに対応していきたいと意気込んだ。