プロボクシングの世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)との対戦を要求している元WBO世界バンタム級王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン、32)を地元フィリピンメディアが一刀両断した。
「唯一の切り札である世界タイトルを失った」
フィリピンメディア「マニラタイムズ」(WEB版)は2022年6月17日にカシメロの特集記事を公開し、カシメロがSNSで井上戦を要求していることや世界王座を失った経緯などを伝えた。
記事ではカシメロは世界4団体王座統一を目指す井上の対戦相手となるはずだったが、2度にわたる試合のキャンセルで井上戦に向けて交渉上の唯一の切り札である世界タイトルを失ったと指摘した。
また、カシメロは王者時代から井上との対戦を呼びかけ、井上がドネアを下した後も対戦を要求しているが、井上陣営はカシメロの容赦ない挑発に関心を示さなかったとし、「世界王座を失ったカシメロ戦は井上にとって利益がない」と厳しい論調で元王者を評した。
一方で井上が対戦を切望しているのはカシメロではなくWBO王者のポール・バトラー(英国、33)であると指摘。そしてバトラーも井上に興味を示しており今年10月の対戦が見込まれているとした。
井上「もうカシメロには用はない」
なおも厳しい論調は続き、カシメロが王座を保持していれば井上はドネア戦の後にカシメロと対戦せざるを得なかったが、カシメロは全てをぶち壊したと言及。そしてカシメロはバトラーとの対戦をWBOに懇願したもののバトラーはカシメロとは何の関係も望んでいないとした。
さらにカシメロがWBOの承認を得てバトラー戦を実現させても、年内に世界4団体王座統一を目指している井上は、カシメロ対バトラー戦が行われるまでにバンタム級を去り階級を上げてスーパーバンタム級で世界4階級を目指すだろうとの見解を示した。
複数のフィリピンメディアによると、現在WBO世界バンタム級1位にランクされているカシメロはSNSを通じてWBOの会長にバトラーとの対戦機会を与えるよう訴え、SNSに投稿した動画で「お前はこの階級で最強じゃない」などと井上への挑発を繰り返している。
一方の井上は6月14日にツイッターを更新し「もうカシメロには用はない。4団体統一は年内本当に実現するのかもしれない。ワクワクスルゼ」などのコメントを投稿し、無冠となったカシメロに関心がないことをアピールした。
The MONSTER wasted no time ?? @naoyainoue_410 knocked out Nonito Donaire in two rounds. #InoueDonaire2 pic.twitter.com/WmMxwcWRib
— ESPN Ringside (@ESPNRingside) June 7, 2022