プロ野球・巨人はリーグ戦再開へ向け、2022年6月15日に中山礼都内野手、岸田行倫捕手、ウィーラー内野手の1軍登録を抹消した。
代わって昇格すると報じられているのが、中田翔内野手、大城卓三捕手、石川慎吾外野手の3選手。いずれも長打力が持ち味だが、他球団の関係者は「怖さを感じると言ったら全くない」と話す。
中山はショートで奮闘したが...
降格した岸田とウィーラーはともにここまで18試合の出場で、岸田は打率.261、0本塁打、1打点、ウィーラーは.189、1本塁打、3打点の成績だった。故障の坂本勇人内野手に代わりショートで起用された高卒2年目の中山は、31試合の出場で.195、0本塁打、1打点だった。
「岸田、ウィーラーは結果を出していなかったので致し方ない。中山は坂本が故障で戦線離脱している間に遊撃で奮闘していましたが、坂本が復帰すると出場機会が減ってしまう。高卒2年目で若いし実戦経験を積むことが重要なのでファームに落としたのでしょう」(スポーツ紙記者)
一方、昇格すると報じられている一人が大城だ。今季は正捕手として期待されたが、44試合出場で打率.221、2本塁打、11打点。持ち味の打撃で精彩を欠き、低空飛行が続いていた。交流戦中の今月2日に登録抹消。不調による2軍降格はプロ5年目で初めてだった。「大城はファームの試合を見る限り打撃がまだ本来の状態ではないですが、小林誠司、山瀬慎之助の2人では心許ないと首脳陣が判断したのだと思います」(同スポーツ紙記者)
開幕スタメンを飾った中田は打撃の状態が上がらず、41試合出場で打率.215、5本塁打、20打点。今月6日に今季2度目の登録抹消となり、ファームで汗を流していた。石川はパンチ力が持ち味だが、ここまで1軍での出番はなかった。
「増田陸やウォーカーの方が怖い」
3選手について、他球団のスコアラーはこう分析する。
「大城、中田は1軍で実績のある選手ですからね。石川も今季1軍出場はないですが、日本ハム時代を含めてキャリアのある選手なので特徴は把握している。大城が絶対的レギュラーというとそうでもない。中田も本職の一塁で増田陸が台頭し、石川は外野に丸佳浩、ポランコ、ウォーカーがいるのでチャンスはそう多くないのではないか。3人は起爆剤として上がると思いますが、怖さを感じると言ったら全くない。増田陸やウォーカーの方が怖いし、代打でも中田より中島宏之の方が勝負強いので厄介です」
彗星のごとく現れたプロ4年目の増田陸が一塁でスタメン出場を続ける中、現状の中田に与えられるチャンスはそう多くない。求められるのは自慢の長打力だけでなく、状況に応じたチームバッティングだ。5月13日の中日戦(東京ドーム)では4回無死一、二塁で犠打のサインが出され、きっちり転がして走者を進めた。プロ15年目の6245打席目で初犠打を記録。初犠打までに6000打席以上要したのは、73年の張本勲(日拓)以来2人目だった。
増田陸は打撃好調だが、相手バッテリーも当然対策を施してくる。その時に中田がレギュラーを再奪取できるか。一塁の守備力は球界屈指なだけに、打撃がカギを握っている。(中町顕吾)