神奈川歯科大・社会人講座に「ニセ科学」指摘 大学側は「正当性」主張の構え

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   神奈川歯科大学(神奈川県横須賀市)の大学院社会人講座の一部に「ニセ科学」が含まれていると、歯科医らからツイッターで指摘が相次いでいる。

   この講座は、文部科学省の履修証明プログラムになっているが、同省は「大学の自主性に任せており、何か言える立場でない」と取材に答えた。大学では、「取り下げる予定はなく、ホームページ上でその正当性を説明したい」としている。

  • 統合医療学講座の公式サイト
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「高等教育機関において、統合医療の教育と研究を行う日本初の講座」

   問題のプログラムは、大学院に2022年4月1日に開設された「統合医療学講座」だ。20人を募集し、東京・高輪のビル内に教室がある。

   講座のサイトによると、「高等教育機関において、統合医療の教育と研究を行う日本初の講座」とうたい、講義内容の紹介では次のように書かれていた。

「統合医療(総論、臨床、癌、抗加齢医学、メンタルケアなど)、補完代替医療(漢方、鍼灸、アーユルヴェーダ、ヨーガ、カイロプラクティック、オステオパシー、音楽療法、アロマセラピー、ホメオパシー、バッチフラワーエッセンス、健康食品、メディカルハーブ、点滴療法、温熱療法、波動、オゾン療法、催眠療法、Oリングテストなど)、サイモントン療法、癌やメンタル系の諸問題に対するアプローチなど」

   講師は、大学教員や団体指導者などとしており、平日の夜に2コマの講座を受講し、修業年限は2年となっている。学費は、年200万円。講座を受講しても、修士号といった学位は得られないが、「本大学院に2年以上在学して所定の試験・試問及び論文最終審査に合格した者には文科省の受講証明および独自のDiplomaを授与する」としている。

   この講座について、ツイッター上などで6月14日ごろから話題になり、歯科医らからその一部に「ニセ科学」が含まれていると指摘があった。国立大学の講師も、この講座で講義を持っており、こうした講座に、国がお墨付きを与えるような形はどうなのかと疑問視する声も出た。

   講座の一部にニセ科学の指摘が出ていることについて、文科省の大学振興課は15日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

神奈川歯科大「4月からすでに開講しており、今後も予定通り続ける」

「履修証明プログラムは、学校教育法に基づく制度で、各大学が届け出る必要はなく、その自主性で適切に内容や目的を設定することになっています。こちらが内容に関わって認定するものではなく、何かを言う立場にはありません。国立大の教員が教えることも、当事者間の関係ですので、何かを言うことではないと考えています」

   ただ、文科省が受講証明を出すと講座のサイトで書いたことについては、その事実を否定した。

「大学には、事実誤認があり、履修証明書はこちらではなく大学が出すことになっています。大学に問い合わせをして、誤解を招かないように表現を改めることをお願いしたいと思っています」

   神奈川歯科大の企画推進室は6月15日、次のように取材に答えた。

「講座を取り下げる予定はなく、その正当性について、16日中にもホームページ上で説明したいと思っています。講座は、4月からすでに開講しており、今後も予定通り続けるつもりでいます」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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