「まさに血を見る争い」――。埼玉県内の献血会場が、献血の協力品として明治のお菓子「きのこの山」「たけのこの里」を配布し、いずれかに投票を呼びかける企画がツイッター上で話題を集めた。
2商品のどちらが好きかをめぐる議論は「きのこたけのこ戦争」(きのたけ戦争)と呼ばれ、何度も取りざたされてきた。実際に献血をし、票を投じたツイッターユーザーに話を聞いた。
「物凄いプレッシャーでした」
話題になっているのは、ドン・キホーテ川越東口店(埼玉県川越市)にある日本赤十字社埼玉県赤十字血液センターの「川越クレアモール献血ルーム」が5月23日から実施した企画。献血協力者に「きのこの山」か「たけのこの里」のいずれか希望のお菓子を配布し、どちらが人気かを投票形式で競うというものだ。
「きのこの山」(75年発売)の姉妹品として「たけのこの里」が79年に登場して以降、40年以上続いてきた「きのたけ戦争」。明治が18年に実施した消費者投票「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙2018」では「たけのこ」が勝利したものの、翌年の「総選挙2019」では一転「きのこ」が勝利するなど、依然として情勢は流動的だ。
今回、献血会場を舞台にした「きのたけ戦争」に、ツイッター上では「まさに血を見る争い」「血が足りないのに無駄な血が流れる」などの声が相次いだ。
6月9日に献血会場に訪れたしめ鯖(@zz_saba)さんは10日、J-CASTニュースの取材に「献血協力者を増やすうえで色々と四苦八苦されているのは感じていたのですが、まさか『きのたけ戦争』に注目するとは予想外でした」と驚きを語る。
しめ鯖さんは、これまで世間の「きのたけ戦争」を「面白半分で眺めていた」というが、争いの当事者となり「『どちらが良いか?』を対面で回答させられるのは物凄いプレッシャーでした」と振り返る。しめ鯖さんは「きのこ」「たけのこ」のどちらに票を投じたのだろうか。
「どっちを受け取ったかは、黙秘、という方向でお願いします」
投票は6月13日に終了。約1540票のうち、先に1000票集まり勝利したのは「たけのこ」だった。
献血協力品に「きのこの山」「たけのこの里」を用いた投票企画は隣県でも行われていた。群馬県赤十字血液センターは22年4月に群馬大学のキャンパスで2度投票を実施。4月14日の1度目は35対26、同15日の2度目は40対28でいずれも「たけのこの里」が勝利した。