立憲の街頭演説で珍場面、野党共闘で意見対立 小川淳也氏「育む」、候補予定者「しない方がいい」

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   夏の参院選に向けて各党が幹部級を全国に送り込んで街頭演説を繰り広げる中、党幹部と立候補予定者の意見が真っ向から対立する珍しい場面があった。2022年6月11日に大阪・なんば駅前で行われた立憲民主党の演説会での出来事だ。

   「野党共闘、ちゃんとやってください」と訴える聴衆に対して、小川淳也政調会長は21年の衆院選では課題があったことに言及しながら、「国民にしっかり説明できる野党共闘、これをぜひ進めていきたい」と応じた。対して、大阪選挙区から立候補を予定している新顔の石田敏高氏は、有権者から選択肢を奪うとして「しない方がいいと思います」。代わりに野党間で予備選を行った方が、民意が反映されるとの持論を展開した。

  • 「野党共闘」をめぐる考え方は立憲民主党の内部でもさまざまだ。左から参院大阪選挙区から立候補予定の石田敏高氏、小川淳也政調会長
    「野党共闘」をめぐる考え方は立憲民主党の内部でもさまざまだ。左から参院大阪選挙区から立候補予定の石田敏高氏、小川淳也政調会長
  • 「野党共闘」をめぐる考え方は立憲民主党の内部でもさまざまだ。左から参院大阪選挙区から立候補予定の石田敏高氏、小川淳也政調会長

小川氏「国民にしっかり説明できる野党共闘、これをぜひ進めていきたい」

   この日の街頭演説は、聴衆からの質問に答える「青空対話集会」の形式。「野党共闘、ちゃんとやってください」という声に、小川氏は「いわゆる、今までの『野党共闘』が今までの通りは進まなくなっています」と現状を説明。それでも参院選では1人区での候補者調整が必要なことや、衆院選で掲げた共産党の「限定的閣外協力」が「有権者の側からしたらそれが何を意味するものなのかよくわからなかった」ことなどを話した。その上で、野党共闘は「しっかり育んでいきたい」と話し、その前提条件について次のように語った。

「説明できる材料、これは各党間でよく話し合ってお互いに敬意の気持ちを持ちながら、譲り合いながら、しっかり政策面でも、あるいは党運営等においても説明できるような野党共闘、国民にしっかり説明できる野党共闘、これをぜひ進めていきたいと思っています。現状、ご心配おかけしていますが、何とか前に向いて進みたいと思っています」

「だって投票する人の選択肢が奪われるじゃないですか」

   一方の石田氏は「野党間協力ですけども、僕はね、しない方がいいと思います。個人的な意見ですよ?」。単なる野党間の候補者調整ではなく、予備選を通じて候補者を一本化すべきとの持論を展開した。

「だって投票する人の選択肢が奪われるじゃないですか。共産党に投票したい、立憲民主党に投票したい、と思っても、その人がいなかったら困ると思うんですよね。それよりも、本当言ったら予備選をして、(野党)各党(が出した候補者)の中で『この人がいい』と(投票する)。大きい参議院選挙みたいなところはですよ?そうしたら、その事前から盛り上がるし、ちゃんと意思が反映できるんじゃないかと私は思いますし、自然と野党協力という候補者の統一というのは、人々の心の中でも出てくると思うんですね」

   大阪選挙区の改選数は4。16年の参院選では日本維新の会2人、自民党1人、公明党1人が議席を獲得し、4人とも再選を目指す。今回は少なくとも19人が立候補する見通しで、立憲としては、上位4人の中に割って入りたい局面だ。「助っ人」の役割を担っているのが党の最高顧問を務める菅直人元首相で、4月25日には参院選大阪選挙区の「特命担当」に就任し、連日のように維新批判を行っている。この日の街頭演説で掲げられた「のぼり」も、上半分に石田氏、下半分に菅氏を配置したデザインだ。

   小川氏は菅氏について、

「大阪ですから、維新の会についても触れさせてください。菅直人さん、敵基地攻撃に来てますね?菅さんは専守防衛じゃないんだと思います」

と紹介し、聴衆の笑いを誘っていた。ただ、全面的に菅氏を称賛するわけでもなく、微妙な距離感をのぞかせた。

「まぁ、頼もしい。ええか悪いかは、よう分からん。だけど、あのファイティングスピリッツ?あれは私ども後輩も、しっかり学ばないかんなぁ、こう思っています」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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