最下位低迷の中日、日本ハムと対照的に 「強くなるイメージわかない」の指摘も

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   最下位同士の対戦も、ベンチの雰囲気は対照的だった。交流戦最終カードで中日が日本ハムに同一カード3連敗。10日の1戦目に大野雄大、12日の3戦目に柳裕也と左右のエースが先発したが、1戦目が1得点、2戦目から2試合連続零封負けでは勝てない。借金は今季ワーストの8に膨らんだ。

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「チームをどう変えたいというのが見えてこない」

   若返りの観点で見ても中日は停滞しているように感じる。3戦目の両チームのスタメンを見ると、日本ハムは1番がリーグトップの打率で大ブレークの松本剛、2番・田宮裕涼、3番・清宮幸太郎、4番・野村佑希、5番・万波中正、6番・今川優馬、7番・石井一成、8番・石川亮、9番・上川畑大悟と伸び盛りの若手たちがそろう。一方で中日はどうだろうか。1番・大島洋平、2番・三ツ俣大樹、3番・A.マルティネス、4番・ビシエド、5番・阿部寿樹、6番・木下拓哉、7番・高橋周平、8番・鵜飼航丞、9番・岡林勇希...鵜飼と岡林以外は昨年のメンバーと変わらない。

「勝つことが一番の目標なので、若ければいいものではない。でも日本ハムと中日は低迷期で若手を育成して組織を再構築しなければいけないという点で共通している。新庄剛志監督はミスに目をつむって我慢して若手を育てようという意図が見えますが、立浪監督はチームをどう変えたいというのが見えてこない。石川昂弥が故障で戦線離脱したのは差し引かなければいけないですが、結果の出ていない高橋周平や6月は打撃の状態が良くない三ツ俣大樹をスタメンで使い続けている。結果が出ていないベテランの福留孝介も交流戦が終わるまで1軍に置くなど実力至上主義とは程遠い。今後強くなるイメージがわかない」(スポーツ紙デスク)

   借金数で言えば日本ハムの方が11と多い。だが、これまでの戦いぶりを見るとチームとして大きな可能性を感じさせる。万波はチームトップの10本塁打、昨季1軍出場なしに終わった清宮は7本塁打、気迫を前面に出すプレースタイルの今川も6本塁打と豪快なスイングで球場を沸かせる。新庄監督は緻密な野球も追い求め、守備や走塁に対して厳しい。試合を重ねることでプレーの質が上がっていることを選手たちは実感しているだろう。指揮官は勝利後にベンチ前で選手全員が輪を作り、一本締めを行うという儀式を発案。笑顔の選手たちを見ると一体感が感じられる。

   一方で、中日は3戦目の5回の攻撃前にテレビ中継の映像で映ったある場面が話題に。波留敏夫打撃コーチが「目覚ませもっと。いつまで甘えてやってんねん、野球。その気でやらんかいアホ!」とベンチ前の円陣で語気を強めた場面が放送された。状況は好転せずに2試合連続零封負け。波留コーチの発言は賛否両論を呼んだが、勝ちたいという執念が必要なことは間違いない。立浪ドラゴンズは変革できるか(中町顕吾)。

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