福岡市を拠点に活動するHKT48が2022年6月10日に大阪市内で開いたコンサートで、地元・大阪を拠点にするNMB48と瀬戸内7県が拠点のSTU48がゲストとして登場し、西日本の3グループが集結した。
コンサートは4月に始まった全国ツアーの一環で、大阪が5か所目。6期生がお披露目された熊本公演以外の4か所で姉妹グループが登場した。かつてはAKB48の楽曲やイベントに姉妹グループメンバーが参加していたが、コロナ禍や運営体制の変更でグループ間の往来が事実上途絶えていた。そんな中の久々の交流で、メンバーからは再会を喜んだり、会えない間の変化に驚いたりする声も相次いだ。各グループからメンバーを集めて競う「歌唱力No.1決定戦」などを除けば、今となっては貴重なAKB48グループ内の「異文化交流」だ。
3年ぶりの対面で「いつの間にかナイスバディになっていて」
この日の公演は、大阪出身の松本日向さん(21)にとって凱旋(がいせん)公演だ。松本さんは6月27日に卒業を控えており、昼公演の冒頭
「大阪でライブしたことが一度もなくて、最後の最後に凱旋(がいせん)公演を行うことができて、すごく幸せ」
とあいさつした。NMB48からは本郷柚巴(ほんごう・ゆずは)さん(19)ら9人が登場。本郷さんは「グラビアクイーン」として知名度を上げており、3年ぶりに対面した松岡はなさん(22)は
「まさかの同期なんですけど、いつの間にかナイスバディになっていて...。ツイッターとか見てて、二度見しちゃう」
と目を丸くした(2人は全姉妹グループが一度にオーディションを行う「ドラフト会議」の2期生として15年にデビュー)。「『初恋バタフライ』(12年発売)の頃からHKT48が好き」だという水田詩織さん(23)は、
「私、一ファンとしてこれだけは...」
「関西弁を交えつつ、言っていただきたいせりふがありまして...」
と、HKT48の「チームK IV」キャプテンの本村碧唯さん(25)に「無茶ぶり」。本村さんが恥ずかしそうに「ほんま、いい加減にせえや?とりあえず、ひざまずきなさい!」と声を上げ、出演者がいっせいにひざまずくと、水田さんは「もう、今、天に召されてもいいです、私」と満足げにしていた。
「色々な地方をめぐらせていただいて、同期にいっぱい会えたんですよ」
大阪・夜公演にはSTU48から、ファンの投票で選ばれた「瀬戸内PR部隊Season2」の7人が出演。「瀬戸内PR部隊Season2」が観客にお披露目されるのは初めてで、1位に選ばれた石田千穂さん(20)は、楽曲冒頭で「西日本、盛り上がっていくぞー!」とあいさつした。STU48の沖侑果(おき・ゆうか)さん(22)とHKT48の渡部愛加里さん(17)は同期(ドラフト3期)で、18年のデビュー時は渡部さんが年上の沖さんを「ママ」と呼んでいた。それから4年がたち、当時中学生だった渡部さんも高校生に。沖さんは、
「『娘』が、こんなに大きなステージに出ていることが感慨深くて...」
と目を細めた。
渡部さんは、ツアーが終わりに近づいていることを
「色々な地方をめぐらせていただいて、同期にいっぱい会えたんですよ。これが最後かと思うと寂しい気持ちもあるんですよ」
と惜しんでいた。
キャプテンの極意は「気負いすぎず、みんなと仲良く、助け合いながら」
大阪公演に先立って行われた神奈川・横須賀、東京・渋谷、名古屋の3公演でも、姉妹グループがステージを盛り上げた。
4月8日の神奈川公演には、新潟が拠点のNGT48が登場。NGT48の小越春花(おごえ・はるか)さん(17)のファンは「『はるか村』村民」という設定で、小越さんは「村長」。HKT48の「あいちー」こと市村愛里さん(21)も、ファンの間では「『あいちー村』村長」として知られている。小越さんが
「はるか村の特産物はプリンツリーっていう木が生えてて、プリンを、あいちー村さんに送るので...」
などと独自の世界観を披露しながら村どうしの「貿易」を申し込むと、市村さんは「はるか村の村長、ぶっこみますね...!」と「ドン引き」。それでも両「村長」はガッチリと握手を交わしていた。
NGT48の藤崎未夢(みゆ)さん(21)は22年4月にキャプテンに就任したばかり。同期の渡部さんは「もうキャプテンやってるじゃないですか?すごいなーって思って、尊敬します」。藤崎さんが「キャプテンの極意を教えてもらいたいと思いまして...」とキャプテンの本村さんに水を向けると、本村さんは
「気負いすぎず、みんなと仲良く、助け合いながらやっていくのが、一番いいと思います!」
とアドバイスしていた。
東京では元「IZ*ONE」矢吹&本田が久々の共演
最もメディアの注目度が高かったのが4月10日の東京公演だ。ゲストは東京・秋葉原が拠点のAKB48で、画面に本田仁美さん(20)の名前が映し出されると客席からどよめきが起きた。本田さんとHKT48の矢吹奈子さん(20)は18年10月から21年4月まで日韓合同ユニットIZ*ONE(アイズワン)で活動。IZ*ONEの活動終了後に2人がステージで共演する初めての機会だった。2人は「ヘビーローテーション」(10年)をダブルセンターでパフォーマンスし、本田さんは
「2年半同じグループで一緒に活動してたけど、こうしてそれぞれのチームに戻っても、こうしてセンターで同じスタンドマイクで一緒にパフォーマンスができて本当にうれしいです」
と感慨深げ。矢吹さんは「不思議な感じがするね」と応じた。
5月1日の名古屋公演には地元のSKE48が出演した。メンバーは最新シングル「心にFlower」でセンターを務める林美澪さん(13)ら7人で、14年にHKT48からSKE48に移籍した谷真理佳さん(26)には、ひときわ大きな拍手が送られた。
大阪公演では、7月23日に福岡市で追加公演が行われることも発表された。ツアーの最終公演(ファイナル)にあたり、加入したばかりの6期生18人を含むメンバー全員が出演する。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)