「発想も命名もすごい」何度もバズる異例の和菓子 「下剋上鮎」仕掛け人が語るヒットの裏側

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「鮎菓子で生きてきた会社」が若者受けを意識

   「幾つかの要素を組み合わせてなんか良いこと出来ないか」と白木さんが焦点を当てたのは、一見遠く感じる2つの要素だ。

   ひとつは、創業以来の銘菓「登り鮎」。鮎を模したカステラ生地で求肥を包んだ菓子で、公式サイトでは「岐阜では玉井屋本舗が発祥と言われています」と謳う。

   白木さんは「鮎菓子で生きてきた会社なんです」と話していた。

   そこへ掛け合わせたのが、「若者に受けたい」という強い思い。市場全体が縮小しつつあり「若者の和菓子離れ」が進むなかで、「老舗が若者に対する商品を作ることに、業界的な意味があるのではないか」という考えもあったという。白木さんはこのように伝える。

「登り鮎っていうずっと根付いてる商品をフィーチャーして、リスペクトしながら、若者にちゃんと刺さるような商材をつくろうと考えました」

   主流の事業である「登り鮎」と、若者受けを狙った「クスッとくるストーリーやデザイン」を意識したところへ、「麒麟がくる」を発端に、岐阜の歴史をエッセンスに加えた。

   「登り鮎」は長良川の伝統漁「鵜飼」をモチーフとしている。これに白木さんは「鮎はいつも食べられてるんですね、毎回毎回。もう何百年、何千年っていう間。鮎は鵜に一方的に食べられてきたんです」。

   そして明智光秀が生きた戦国時代については、「弱いものが強いものに食らいつくという、下剋上が当たり前の時代でした」という。

   このような道筋で物語を結び付け、さらには令和へ移り変わった新たな時代を祈念するように、「いつも一方的にやられている鮎が、今度は鵜に対して食らいつく」というテーマを掲げる。

   こうして「下剋上鮎」が誕生した。

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